「自律神経」は、正反対の働きをする2つの神経「交感神経」と「副交感神経」とから成り立っています。
「交感神経」は、活動している時やストレス・緊張に対峙しているときに活発に作用します。逆に「副交感神経」は、リラックスし、休息や身体の修復をしているときに優位になります。
人の身体は、昼間には交感神経系が活発に作用し、夜間になれば昼間の活動で蓄積した疲労やダメージを休ませ、修復するために、副交感神経系が優位に作用するようになります。適切な睡眠をとるためには、自律神経系は「交感神経優位」の状態から「副交感神経優位」の状態に切り変わらなくてはなりません。
〔神経性不眠症(神経症性不眠症)〕は、社会生活での不安や仕事でのストレスなどに晒され続けることで不安感や葛藤が蓄積して、一種の〔不安障害(神経症)〕を引き起こして起こります。
自律神経系が交感神経優位から副交感神経優位の状態にうまく切り替わらず、交感神経が緊張したままの状態が続いてしまい、睡眠リズムが狂ってしまうのです。
このような不眠症になると、日中に眠くて仕方なくなり心身ともに疲れ果て、日常生活や社会生活、仕事などに大きな支障をきたすようになります。また、不眠症だけでなく他の心身の病気へと進行してしまう恐れもあります。
この不眠症の改善や治療に当たっては、安心して眠れるように自分の身体に合った寝具や枕、寝室の照明などを調節するとともに、場合によってはアロマテラピーや静かな音楽を聴くなどが重要です。症状が深刻な場合には、原因である神経症を治療するために、専門医によるカウンセリングなどを受けるのがよいでしょう。
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