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心の病気

神経伝達物質


 脳内では無数ともいえる「ニューロン」とも呼ばれる「神経細胞」がネットワークを組み協調して作用しています。

 外部あるいは脳内で発生した刺激は、ひとつの神経細胞から次の神経細胞へと次々と情報を伝達しながら、最終的には筋肉などの「効果器」へと情報を渡してゆきます。

 神経細胞(ニューロン)は「細胞体」と「樹状突起」および「軸索」という3つの部分から構成されています。


 樹状突起は前のニューロンからの信号を受け取り、軸策は次のニューロンへと信号を渡すように働きます。

 このとき、ひとつの前のニューロンの軸策と次のニューロンの樹状突起との間は、非常に接近してはいますが、物理的には接続されていません。

 この接続部分を「シナプス」と呼び、刺激信号は特殊な化学物質によって伝達されます。

 ニューロン間で刺激信号を伝達するために必要な化学物質は、「神経伝達物質」と呼ばれています。また、この神経伝達物質は、同義語として「化学伝達物質」あるいは単に「伝達物質」とも呼ばれます。

 神経伝達物質の種類は、50種類以上も存在しますが、その働きが十分に解明されているのは20種類ほどだけです。

 神経伝達物質には「アミノ酸類」「ペプチド類」および「モノアミン類」などの種類がありますが、精神活動面で特に重要な物質には、「ドーパミン」「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」「アセチルコリン」「γ-アミノ酪酸(GABA:ギャバ)」などがあります。

重要な神経伝達物質の種類と働き
ドーパミン  運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる。

ノルアドレナリン  闘争や逃避反応を生じさせ心拍数を増加させる。脂肪からエネルギーを放出し、筋肉の素早さを増加させる。

アドレナリン
(エピネフリン)
 ストレス反応の役割を持ち、心拍数や血圧を上げ、血糖値を上げる作用をする。

セロトニン  腸などの筋肉に作用し、消化管の運動に大きく影響する。

アセチルコリン  骨格筋や心筋、内臓筋の筋繊維の受容体に働き、収縮を促進する。自律神経の副交感神経を刺激し、脈拍を遅くし、唾液の産生を促す。

γ-アミノ酪酸
(GABA:ギャバ)
 鎮静、抗痙攣、抗不安作用を有する。この種の薬はしばしば健忘を引き起こす。

オピオイド
(脳内麻薬様物質)
 脳内に自然状態で分布する麻薬様物質で、鎮痛作用などあるが、便秘、嘔気・嘔吐などの副作用も多い。



神経細胞 ◆〔神経細胞〕とは、どんなものなのかご説明します。
神経細胞  脳内では無数ともいえる「ニューロン」とも呼ばれる「神経細胞」がネットワークを組み協調して作用しています。外部あるいは脳内で発生した刺激は、ひとつの神経細胞から次の神経細胞へと次々と情報を伝達しながら、最終的には筋肉などの「効果器」へと情報を渡してゆきます。

神経細胞の構造
神経細胞での情報伝達

 上図に示す「神経細胞の情報伝達」の図で分かるように、ひとつの神経細胞は、「細胞体(核周部)」と、そこから出る「樹状突起」および「軸索(神経突起)」という三つの部分から構成されています。(図は東京都神経科学総合研究所ホームページより引用)

 樹状突起は、短く複数存在するのに対して、軸策は長く一本であり枝分かれはしていません。

 樹状突起には、他の神経細胞の軸策の末端が接続されていて、この接続部を「シナプス」と呼んでいます。

 軸策や樹状突起のうちで長く伸びているものは「神経線維」と呼ばれます。

 ひとつの神経細胞をみたとき、樹状突起は情報の入力部分となり刺激を受け取る役目をし、軸策は情報の出力部分となって、シナプスを介して、次の神経細胞に情報を伝達する役目をしています。このように、神経細胞(ニューロン)は、情報を次々と伝達する神経ネットワークを形成しているのです。




神経伝達物質 ◆〔神経伝達物質〕の種類や役割についてご説明します。
神経伝達物質  神経細胞自身の中では情報は、電気的、化学的に伝わりますが、神経細胞と次の神経細胞の間は物理的には接続されていないで、シナプスという構造によって繋がっています。そして、このシナプスでは、情報は化学物質によって伝達されます。

 シナプスで情報を伝達する化学物質は「神経伝達物質」と呼ばれ、脳内で神経細胞(ニューロン)間の信号伝達を媒体する物質の総称として使われます。神経伝達物質は、同義語として「化学伝達物質」あるいは単に「伝達物質」とも呼ばれています。

 伝達される情報には、興奮性のものと抑制性のものとがあるので、神経伝達物質とは、シナプスにおいて、シナプス前ニューロンからシナプス後ニューロンへ興奮性、あるいは抑制性の情報を伝える化学物質であるということもできます。

 神経伝達物質の種類は、非常に多く存在しますが、十分に解明されているものはそれほど多くなく20~50種類くらいだけです。

 神経伝達物質を大きく分けると、「アミノ酸類」「ペプチド類」および「モノアミン類」の三種類になります。
神経伝達物質の種類
アミノ酸類  グルタミン酸、γ-アミノ酪酸、アスパラギン酸、グリシンなど

ペプチド類  バソプレシン、ソマトスタチン、ニューロテンシンなど

モノアミン類  ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドーパミン、セロトニンとアセチルコリン


 数多い神経伝達物質の中で特に重要なものには「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「アドレナリン」「セロトニン」「アセチルコリン」および「γ-アミノ酪酸(GABA:ギャバ)」などがあります。ここではこれらの神経伝達物質についてその役割や性質、特徴などを記述しています。

ドーパミン  ドーパミンは、神経を興奮させ、脳の覚醒を促して楽しさや心地よさ、快感、ハイの感覚、陶酔感、多幸感などの感情を生み出す神経伝達物質であり「ドパミン」とも呼ばれる物質です。

 気分と意欲を高揚させ、集中力を高め創造性を発揮したり、攻撃性を強めたり、運動機能などを調節するような働きがあります。

 ドーパミンが不足すると、うつ病やパーキンソン病の症状を引き起こし、逆に過剰になると幻覚や幻聴などの症状を呈するようになります。

ノルアドレナリン  「ノルアドレナリン」は、シナプス伝達の間にノルアドレナリン作動性ニューロンから放出される神経伝達物質です。また、副腎髄質で産生され副腎から血液に放出されるホルモンでもあります。

 ノルアドレナリンは、アドレナリンと共に「闘争反応」あるいは「逃避反応」のために、交感神経系に作用します。

 敵に遭遇したとき、敵から身を守るために、交感神経を刺激して、心拍数を増加させ血圧を上昇させ、脂肪からエネルギーを放出し、筋肉が素早く作動できるようにして、敵に対抗したり、逆に逃避したりします。

アドレナリン  「アドレナリン」は、延髄の網様体に存在する脳神経系や神経節における神経伝達物質であり、副腎髄質より分泌されるホルモンです。この物質は、もともとは英名でアドレナリンと呼ばれていましたが、米名では「エビネフリン」と呼ばれています。

 ノルアドレナリンがどちらかといえば「怒り」に反応して多く分泌されるのに対して、アドレナリンは「恐怖」に対してより多く分泌されます。

セロトニン  セロトニンは、落ち着きと安定感をもたらす神経伝達物質で、感情や精神を安定させ過剰な活動をコントロールします。快感や覚醒の調整、活動を適度に抑えるなど、行動に抑制的に作用します。

 セロトニンは、他の神経系に抑止的に作用するので、過剰な興奮や衝動、抑うつ感を軽減しますが、不足すると食欲や性欲は亢進する一方で、気分は低下してうつ状態になったり、暴力的になったりもします。

アセチルコリン  アセチルコリンは、神経を興奮させる働きがあり、思考、学習、記憶、目覚め、レム睡眠に関わる神経伝達物質で、神経伝達物質であることが最初に確立された化合物です。

 アセチルコリンの不足は、アルツハイマー型認知症の原因となり、逆に過剰に放出されると、パーキンソン病を引き起こします。

γ-アミノ酪酸
(GABA:ギャバ)
 γ-アミノ酪酸(ガンマアミノ酪酸)は、「GABA」や「ギャバ」とも呼ばれ、グルタミン酸とともに大脳、小脳の有髄神経から分泌される抑制性の神経伝達物質です。

 シナプスにおける作用として、グルタミン酸が興奮性の神経伝達物質として働くのとは逆に、キヤバが受容する細胞、受容体である標的細胞の活動を抑制する側に働きます。不安を鎮めたり、筋肉の緊張を解いたり、恐怖を押さえるなど神経の働きを鎮めるアミノ酸です。

オピオイド
(脳内麻薬様物質)
 「オピオイド」は、脳内のオピオイド受容体と親和性を示す化学物質の総称であり、「脳内麻薬様物質」とも呼ばれ、アヘンなどの麻薬に極めて近い構造を有しています。
 長期間にわたり回避不能なストレスに反復的に晒され続けると、アヘンなどの麻薬中毒と同様な状態となります。強烈なストレス刺激なしには、我慢できなくなり、敢えて生命の危険を侵したり、自分の心身を傷つけるようになります。

 絶体絶命の場面に遭遇したとき、大量のオピオイドが分泌され、完全な降伏を悟り、最期の覚悟を決めてすべてを受け入れるようになります。