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〔鰹節〕

鰹節 塩辛 魚醤 アンチョビ ケチャップ
シュールストレミング ホンオフェ くさや なれずし

 鰹節(かつおぶし)は、カツオを原料として作られる保存食品です。

 鰹節発祥の地はモルディブ辺りとされ、日本ではありませんが、現在では日本の和食文化に無くてはならない食材のひとつとして馴染まれております。

 鰹節には、加工工程の違いによって「なまり節」「荒節」および「枯節」という3種類があります。



 また、大きなカツオから作った鰹節は「本節」と呼び、小さなカツオから出来た鰹節は「亀節」と呼びます。更に、本節の背側は「男節(おぶし)」、腹側は「女節(めぶし)」と呼んで区別されます。

 鰹節には旨味成分として豊富なイノシン酸が含まれ、主に和食料理の調味料として重宝されています。ビタミンB群などの栄養成分も豊富です。
 イノシン酸には、全身の細胞を活性化させる作用があり、肝臓で産生されるのですが、20歳を過ぎるころから身体での合成能力は減退してしまいます。

 イノシン酸が不足すると細胞の老化が始まることになるのですから、鰹節は若返りの食材ともいえるのです。

原産地・歴史 ◆〔鰹節〕の原産地や歴史をご説明します。。
鰹節の原産地・歴史  日本の鰹節と同様な食品がインド洋のインドとスリランカの南西にある島国モルディブ共和国にあり、鰹節の原産地はモルディブだとされています。モルディブでは日本でいう鰹節のことを「モルディブフィッシュ」と呼んでいます。

 海に囲まれたモルディブは、地理的には農業もできず、イスラム教国という背景もあって豚を食べることもできませんでした。主な食資源は海産物でしたが、漁獲量の七割以上も獲れるカツオが最も重要な食料でした。カツオなど海産物の防虫や保存などのために、早くから干物や燻製の技術が発展し「モルディブフィッシュ」が誕生したのです。

 現在でも全世界で鰹節が日常食習慣として定着し愛好しているのは日本とモルディブだけだといわれています。

 モルディブは14世紀前半には海のシルクロードとして各国の貿易船が頻繁に寄航する貿易の要衝となっていました。このモルディブでは、14世紀前半には鰹節が製造され輸出されていたことが記録に残っています。

 当時の日本は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期にあたり、堅魚や煮堅魚などと呼ばれるカツオの乾燥品があったとされるものの、まだ鰹節は知られていませんでした。日本ではじめて鰹節が登場するのは、それから百数十年後の室町時代末期のことになります。

 鰹節についての日本での最初の記録は、南西諸島の種子島であり、モルディブで発祥した鰹節とその製造技術が、中国や東南アジアから琉球王国に伝わり、さらに日本本土へと伝来したと考えられています。

 現在、日本向けの輸出用として鰹節を生産している国は、中国やフィリピン、インドネシア、台湾などとなっています。

鰹節の種類・名称  基本的には、魚体を三枚におろし「節(ふし)」と呼ばれる舟方に整形してから加工されたものを鰹節と呼びますが、原料の切り方や製造段階などによって、さまざまな呼び名があります。

 大きめなカツオを原料として作る鰹節には「本節」とか「男節(おぶし)」「女節(めぶし)」などの呼び名があります。また、小さめなカツオを原料として作る鰹節は「亀節」と呼ばれています。

カツオの切り方による鰹節の呼び名
本節  おおむね3kg以上ある大きめなカツオを原料として、作られる鰹節が本節(ほんぶし)です。大型のカツオを三枚におろし、更に半身を腹側と背側に二つに切ることで、一尾のカツオから4本の節をとります。

男節と女節  大型のカツオからできる四本の本節の中で、背側の2本を「男節(おぶし)」と呼び、腹側の二本が「女節(めぶし)」と呼ばれます。

 ちなみに、鰹節が結婚式の引き出物とされる慣わしは、男節と女節を対として合わせて本節となるところに由来しています。

亀節(かめぶし)  小型のカツオを3枚におろし、半身から作った鰹節は、その形が亀の甲羅に似ていることから「亀節」と呼ばれています。カツオが本節になるか亀節になるかの大きさの目安は、2.5~3kgほどで、それより小さいものは亀節となります。

 本節と亀節で味などの特性に大きな差異はありませんが、亀節では血合いの周辺部が残されたまま処理されるために、本節より微妙なコクがあるとされ、料理のコクの微妙な調整に好んで使われます。


 鰹節はその加工工程によって、「なまり節」「荒節」および「枯節」という3種類に分類されます。

カツオの加工工程による鰹節の呼び名
生利節  原料のカツオを茹でて干しただけのものを「生利節(なまりふし)」と呼んでいます。

荒節  なまり節をを燻製にしたものが「荒節」です。

枯節  なまり節を燻製にして荒節とし、さらに水分を抜きながら熟成させ表面にカビをつけたものを「枯節」と呼びます。通常、鰹節と呼ぶものはこの枯節を意味します。


鰹節の製法  鰹節ができるまでの伝統的な製法は次のようになっています。

鰹節の伝統的な製法
カツオの解体  原料のカツオを解体し、頭部や内臓を取り去り、三枚におろして形を整えます。

煮込み  三枚におろしたカツオを籠に入れて、厳密な温度管理をしながら1時間半ほど釜茹でします。

生利節  釜から取り出した煮たカツオの鱗を剥ぎ、脂肪や骨を除去します。この段階は柔らかいカツオの煮た状態となり、そのまま食することができますが、これを「生利節」と呼びます。

荒節  生利節をナラやシイなどの木を用いて燻蒸し乾燥させます。必要に応じて何度か燻製作業を繰り返します。この段階の鰹節が「荒節」と呼ばれ、「花かつお」の原料ともなります。

枯節  荒節の表面を削って汚れを除去し、天日干しして乾燥させます。乾燥後、純粋培養した「カツオカビ」を噴霧し、密閉された部屋の中でカビを繁殖させます。  カビが繁殖したら、これを削り落とし、再度カツオカビを噴霧して密閉した部屋でのカビの繁殖を繰り返します。  この工程を何度も繰り返すと、水分が徐々に減少し最終的は加工開始前の重量の20%以下にまで重量が減少します。最終段階ではカビもつかなくなり「枯節」の完成です。

 完璧な枯節は非常に硬くなり、枯節と枯節をぶつけるとカンカンという拍子木を叩いたような音が聞こえます。枯節に衝撃を加え割ってみるとルビーのような透明感のある濃赤色の断面が見られます。


鰹節と類似の食品  鰹節と同様な製法により作られ、カツオ以外の魚を原料とした食品も多数存在します。

カツオ以外の魚から製造される鰹節類似食品
宗田節 ソウダガツオ  原料としてソウダカツオを使用して鰹節と同様な製法で作られた節をいいます。西日本では「目近(めじか)」と呼んでいます。目が口とが近いからだそうです。

 一般的に、宗田節は脂ののってない魚が節に向いています。宗田節でとったダシは、味が濃厚で色がつく特徴があり、うどんや蕎麦汁、煮物など濃いダシをとるものに向いています。

鯖節(サバ節) ゴマサバ  鯖節(さばふし)は、脂の少ないゴマサバを原料として作ります。

 鯖節は、色も濃く、香りも強いコクのある深い旨みのダシがとれるので、醤油、味噌との相性がいいとされますが、ダシ汁が冷めると生臭さがでることもあり、熱いまま食べる料理に最適です。

 鰹節と合わせて使われるほか、お好み焼きやたこ焼きに好んで使われます。

鮪節(マグロ節) シビ  鮪節(まぐろふし)は、きはだ鮪の幼魚から製造されます。かつお節に比べると、ほんのりとした甘味のある上品な味わいがあります。

鯵節(ムロ節) ムロアジ  ムロ節は、ムロアジを原料として作られる燻製品です。

鰯節(イワシ節) カタクチイワシなど  イワシ節は、片口鰯、うるめ鰯、真鰯などの原魚から製造されます。いわし節は煮熟しただけで製造が終わる煮干です。くせのない独特の甘みをもったダシがとれ、麺類、煮物、味噌汁に使用されます。

モルディブ乾燥食品 モルディブ・フィッシュ  インド洋の島国・モルディブにある鰹節類似の乾燥食品。周辺地域で料理の味付けに用いられています。



主な栄養成分 ◆〔鰹節〕の主な栄養成分についてご説明します。
鰹節の主な栄養成分  かつお節は、旨味成分であるイノシン酸を豊富に含有し、調味料として好んで用いられます。栄養成分としては、この他にビタミンB群、ナイアシン、たんぱく質なども豊富です。

 生のカツオ、かつお節、および削り節の100gあたりの栄養成分は次のようになっています。

かつお節の栄養成分
基本成分 個別栄養成分 かつお生 かつお節 削り節
エネルギー(kcal)   114 356 351
水分(g)   72.2 15.2 17.2
たんぱく質   25.8 77.1 75.7
脂質(g)   0.5 2.9 3.2
炭水化物(g)   0.1 0.8 0.4
灰分(mg)   1.4 4.0 2.0
無機質(mg) カルシウム 11 28 46
リン 280 790 680
1.9 5.5 9.0
ナトリウム 43 130 480
カリウム 430 940 810
マグネシウム 42 70 91
亜鉛 0.8 2.8 2.5
0.11 0.27 0.43
ビタミン類 レチノール(μg) 5 0 24
ビタミンE(mg) 0.3 1.3 11
ビタミンD(μg) 4 6 4
ビタミンB1(mg) 0.13 0.55 0.38
ビタミンB2(mg) 0.17 0.35 0.57
ナイアシン(mg) 19.0 45.0 37.4
コレステロール(mg) 60 180 190
食塩相当量(g)   0.1 0.3 1.2

 かつお節の大きな特徴である旨味成分の主役はイノシン酸ですが、もともとは赤みの魚に豊富に含まれる栄養成分であり、かつお節では良質のカビを繰り返しつけることでこのイノシン酸をギュ-っと濃縮しています。

 かつお節は、昆布などと並び、日本料理の基本的旨味成分・調味料として認識され、出汁の素材として使われています。料理の仕上げとして最後に振りかける天盛りとしても使われる。


主な効能・効用 ◆〔鰹節〕の主な効用・効能についてご説明します。
鰹節の主な効用・効能  かつお節には多くの栄養成分が凝縮され、単に旨味成分というだけでなく、健康維持のためにも有効な成分が豊富です。

 主成分のひとつであるたんぱく質はアミノ酸への分解プロセスでペプチドを生成し、血圧降下やカルシウムの吸収を促進する作用があります。不飽和脂肪酸であるDHAをはじめ、多くのビタミンやミネラルを健康によい成分です。

 かつお節がもたらす旨味効果や健康への効用には次のようなものがあるとされています。

かつお節の効果・健康への効用
旨味効果  かつお節の旨味効果の主役であるイノシン酸は、日本料理を代表する三大旨味成分の一つです。三大旨味成分とは、かつお節のイノシンさん、昆布のグルタミン酸、そして椎茸のグアニル酸をいいます。

 鰹節にはイノシン酸が豊富に含まれ、深い味わいを醸し出します。

 これら三つの旨味成分を上手に組み合わせることで料理が一段と美味しくなります。お醤油にもグルタミン酸が含まれているので、鰹節にお醤油を少しかけるだけで味わいが深くなります。

疲労回復  かつお節の含まれる鰹節ペプチドには疲労回復効果や集中力アップの効果があります。

 体内でエネルギーを作り出す過程で水素イオンが発生しますが、これが蓄積すると疲労状態となり新たなエネルギーが作り出せなくなります。かつお節のペプチドはkの蓄積した水素イオンを除去してくれるほか、疲労物質、乳酸を分解する酵素を活性化する効果もあり、疲労回復が促進されるのです。

 神経細胞ニューロンに蓄積した水素イオンを除去してくれるので、神経伝達が順調に行われ、集中力や思考力が高まります。

血圧降下作用  かつお節のペプチドには、血管の詰まりを溶かし血管を広げる作用があり、血行が良くなります。これにより血圧降下ができ高血圧予防に効果があります。心臓病や脳卒中などの予防にもつながります。

 また、カリウムはナトリウム(塩分)を体外へ排出する効果があるので、摂りすぎた塩分のために血管が縮むのを抑制する作用があります。

 料理にかつお節を使うことで、味付けを薄くすることができるため、結果的に減塩することができます。

新陳代謝促進  イノシン酸は、細胞を活性化させる成分が酵素によって分解された成分であり、細胞の活性化には欠かせない成分です。新陳代謝を促進します。

骨を丈夫に  鰹節には、カルシウムやリン、ビタミンDがバランスよく含まれています。ビタミンDはカルシウムに作用して骨を作るのを促進します。お年寄りや成長期のお子様に骨の形成や促進に効果があります。

頭の発育促進  カツオなどの青魚に多く含まれるDHAは、知能の発育効果があり、記憶力や新しい事を学ぶ力などを育成します。

若返り  かつお節に含まれるイノシン酸は、全身の細胞を活性化させる重要な栄養素で、細胞内でDNAを結合する物質、アデニンやグアニンの原料となります。

 イノシン酸が不足すると新しいDNAが作れなくなり、新しい細胞が生れず身体の老化が進行してしまいます。かつお節には老化防止の効果があるのです。

脂肪の燃焼促進  ヒスチジンが脂肪の燃焼を促進します。

 かつお節のペプチドは、アミノ酸のヒスチジンとアラニンが結合したもので、ヒスチジンを多く摂取すれば、熱産生が活発となり、脂肪の消費が増加します。これにより脂肪分解酵素リパーゼが活性化して、中性脂肪を遊離脂肪酸に分解してくれます。



風作用・注意点 ◆〔鰹節〕の副作用や注意点についてご説明します。
鰹節の副作用や注意点  かつお節は天然食材から作られる食品であり、副作用などは全くありません。


料理のコツ ◆〔鰹節〕の料理のコツをご説明します。
鰹節の料理のコツ  日本料理の味付けにはなくてはならないかつお節です。余りに有名な旨味成分食材ですので、ご紹介するまでもなく、ここでは割愛しておきます。