一般に乳酸菌として利用される細菌類には、6つの属があり、いずれも発酵により多量の乳酸を産生します。乳酸が最終生成物であると同時に、環境を酸性化することで他の微生物の繁殖を抑制する作用を持っています。
乳酸菌が発酵乳製品などを産生する場合、食品に対して酸味や独特の味、香りを与えるとともに、食品のpH(ペーハー値)を酸性化することで、他の微生物の繁殖を抑制して食品の腐敗や食中毒を防止し、食品の長期保存を可能としています。
一方で、清酒製造の際に、アルコールに強い乳酸菌が雑菌として混入して作用すると、清酒に異臭や酸味を生じさせて、商品価値を失わせてしまうことがあります。酒造業界ではこれを「火落ち」または「腐造」と呼んで恐れられています。
これを防止する「火入れ」と呼ばれる方法があり、醸造した清酒を65度C以上で23秒間加熱することで、雑菌としての乳酸菌を殺菌する方法が使われています。
ラクトバシラス属
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ラクトバシラス属は、乳酸桿菌と呼ばれるもので、種によりホモ乳酸発酵するものとヘテロ乳酸発酵するものがあります。この属の一部には、アルコールに強い菌もあり、清酒製造などで「火落ち菌」と呼ばれる問題を起こすものがあります。
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ビフィドバクテリウム属
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ビフィドバクテリウム属はグラム陽性の偏性嫌気性桿菌で、俗にビフィズス菌とも呼ばれるヘテロ乳酸菌の一種で、乳酸と酢酸を産生します。この菌は、乳児の消化管内に最も多く常在する菌ですが、加齢により他の嫌気性細菌にとってかわられます。
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エンテロコッカス属
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エンテロコッカス属は、ホモ乳酸発酵するグラム陽性球菌で、回腸、盲腸、大腸に生息しています。フェカリスやフェシウムなどの種類があります。
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ラクトコッカス属
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ラクトコッカス属は、ホモ乳酸発酵をするグラム陽性の乳酸球菌です。牛乳や乳製品に多く見られ、これらを原料とする発酵乳製品に用いられます。
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リューコノストック属
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リューコノストック属は、グラム陽性の球菌で、ヘテロ乳酸発酵します。ザワークラウトなどの発酵植物製品から分離されます。
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