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〔キムチ〕

キムチ ウスターソース カカオマス チョルーラ・ホットソース
タバスコ ナタ・デ・ココ バニラ ピクルス メンマ
草醤

 キムチは朝鮮を代表する漬物のひとつで、白菜などの野菜と薬念(ヤンニョム)と呼ばれる薬味で漬け乳酸菌発酵させた食品です。

 日本では「朝鮮漬」と呼ばれることもあります。

 キムチは、主材料の白菜のほかに多量の唐辛子が使われていて、真っ赤な色合いをしたとても辛い漬物ですが、薬念と乳酸菌発酵による旨味と酸味が醸し出す独特の味わいをしています。


 最近では、キムチの本場、韓国以外でも米食文化圏で人気があります。

 韓国では、キムチは日本の味噌汁のような家庭を象徴する料理となっていて「良いキムチを作れる女性は良い妻になれる」という言葉があります。

 キムチは多くの種類があり、水キムチ(ムルギムチ)のように辛くないものもあります。キムチを作る素材には、新鮮な生ニンニク、生の生姜、長ねぎ、ニラ、人参、大根、唐辛子など非常に多くの食材が使われていて、美味しいだけでなく、栄養価も高く健康維持に優れた効果を発揮するものばかりです。


原産地・歴史 ◆〔キムチ〕の原産地や歴史をご説明します。
キムチの原産地・歴史

 キムチという言葉はもともとは朝鮮語で「野菜を漬けたもの」という意味合いの「沈菜(チムチェ)」や「沈漬(チムチ)」、あるいは「鹹菜(ハムチェ)」から生れた言葉とされています。

 キムチの英語表記は、日本では「Kimuchi」が定着しつつあったのですが、韓国側からの提案もあり、現在では「Kimchi」が使われています。稀に「Gimchi」とされることもあります。

 キムチの原型は、紀元前2000年ころには存在したと考えられています。しかし、文献上に正式に登場したのは13世紀初頭のことで、李奎報の詩の中に現れます。現在のような唐辛子を用いたキムチが誕生したのは16世紀以降で、日本との深い関わりがあります。また、キムチが本格的な食材として普及したのは18世紀以降だとされています。

唐辛子の伝来

 キムチに唐辛子が使われるようになったのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に、唐辛子が日本から持ち込まれ、それ以来のことだとされていますが、一説では江戸時代に日本を訪れた朝鮮通信使が持ち帰ったともいわれています。それ以前にはキムチには唐辛子ではなく山椒が使われていました。

 朝鮮に出兵した日本の兵士達は、寒さ対策として唐辛子で足裏を刺激し血行を良くしていたと考えられています。唐辛子が持ち込まれた当初、唐辛子は「倭芥子」あるいは「倭椒」と呼ばれ、毒があるとみなされていたのですが、やがてそれが食材として広まりキムチの素材として定着したと考えられています。

 唐辛子の伝来はともかく、16世紀以降、現在風な赤くて辛いキムチが作られるようになり、現在の韓国では毎日の朝食、昼食、夕食に必ずキムチが添えられています。

日本でのキムチの普及

 昭和初頭までは、韓国本来のキムチの味は、日本人の味覚に合わなかったこともあって、キムチの名前は知られていても、日本ではあまり普及していませんでした。

 しかし、その後やがて、日本人向けに酸味を抑え甘味が強いキムチが開発され人気がでるようになりました。1980年代後半に日本で起こった「激辛ブーム」を境に日本でも漬物のひとつとして完全定着しました。2006年度に日本国内で最も多く消費された漬物はキムチだとの統計がでています。

 現在、日本で売られているキムチは、日本の国産品もありますが、韓国からの輸入品も多くあります。注意すべきは、「本場」と表示されていても、現実には酸味を抑え甘味をました日本人向けの味付けとなっているものがほとんです。

キムチの種類

 キムチには、さまざまな具材を使ったものがあり、その数は200種類以上もあるとされています。キムチは、一般的には辛い漬物と思われていますが、中には辛くないキムチもあります。

キムチの種類
ペチュギムチ  白菜のキムチで、単にキムチといえばこれを指します。

オイギムチ  胡瓜のキムチです。

カクトゥギ  大根のキムチでカクテキとも呼びます。大根を六面体で切って作ります。

チョンガクキムチ  チョンガク大根という小型の大根で作るキムチです。

ポサムキムチ  韓国の開城地方の名物キムチで、生のイカや牡蠣などを白菜の葉で包んで漬けます。保存がきかないために、作ってから2~3日で食べなくてはなりません。

ヤンベチュキムチ  洋白菜のキムチです。白菜の入手が困難なヨーロッパに移住した朝鮮系住民により開発されたキムチです。

ムルギムチ  別名「水キムチ」と呼ばれる汁気の多い白いキムチで汁ごと食べます。唐辛子やニンニクを使わないで作るのでこのキムチは辛くありません。ムルギムチの汁は冷麺の汁には欠かせません。


キムチの作り方

 本場韓国ではキムチは「キムチ壺(ハンアリ)」と呼ばれる壷で作られます。どの家にもキムチを保存する壷があり、通常は雨露が入らないように蓋付きの壷となっています。

 通常のキムチのおおよその作り方は次のようになります。

標準的なキムチの作り方
白菜の塩漬け  白菜を一日ほど塩に漬け、水でよく洗い流して塩抜きします。

キムチ壷で本漬け  塩抜きした白菜に薬念をまぶしてキムチ壷に入れ本漬けします。

 薬念としては、唐辛子、塩漬けされたアミエビ(韓国名ではアキアミ)、イカ、イシモチ、イワシなどの塩辛、更に牛肉や煮干、昆布などの出汁を合わせたものを使います。

 リンゴや梨、栗、ナツメなどの果物を加えて味をまろやかにすることもあります。

発酵  本漬けし、4~6日すると、乳酸菌発酵が進んでキムチが完成します。

 キムチの発酵の主役は乳酸菌発酵ですが、乳酸菌での発酵現象がピークに達すると、乳酸菌に代わって酢酸菌発酵が起こります。このため、キムチの味は時間の経過で酸味が強くなります。キムチの食べ頃には個人、あるいはその家庭での好みがでてきます。

 キムチに限らず、一般の漬物では、時間が経過すると漬物が酸っぱくなるのは酢酸発酵が起こるからです。



主な栄養成分 ◆〔キムチ〕の主な栄養成分についてご説明します。
キムチの主な栄養成分

 キムチは発酵食品ですので、生野菜では得ることのできない発酵食品特有な栄養成分を得ることができます。

キムチに含まれる栄養成分
乳酸菌  キムチの発酵の主役は乳酸菌で、よく知られているように身体によく、整腸作用などがあります。この乳酸菌は必ずしも乳発酵製品での乳酸菌と同じではありませんが、食物と一緒に摂取し、腸にまで到達すれば同様なよい効果をもたらします。

ビタミン類  新鮮な野菜が発酵することで、もともと野菜に含まれていたビタミン類だけでなく、ビタミンB1、B2、B12、ニコチン酸アミドなど他のビタミン類も作られます。

食物繊維  キムチは多くの野菜を使って作られるので、食物繊維も豊富に含まれます。

カプサイシン  香辛料の唐辛子やニンニクが薬味として加わっていますが、唐辛子に含まれるカプサイシンには、刺激性もあり胃腸粘膜を適度に刺激し消化液の分泌を促します。



主な効能・効用 ◆〔キムチ〕の主な効用・効能についてご説明します。
キムチの主な効用・効能

 キムチは多くの野菜をベースにした、乳酸菌発酵食品ですので、乳酸菌やビタミン類、食物繊維が豊富で、それらによる多くの健康効果が期待されます。

キムチの健康効果
整腸作用  乳酸菌発酵食品であるキムチには、乳酸菌による整腸作用が期待されます。

 乳酸食品には、腸の中の善玉菌を増やす働きがあり、キムチは整腸作用のある健康食品といえます。肉類の酸化を抑える働きもあり悪玉菌を減らしてくれます。

 キムチの乳酸菌は納豆菌などよりも強力な菌で、大腸菌やO-157菌なども退治する力があります。しかも、乳酸菌の含有量がヨーグルトを上回るほど多いのも特徴です。

 乳酸菌は人にとって優良な菌ですが、腸にまで届かないと効果が発揮できません。その点、キムチに含まれるラクトバチルス乳酸菌は、胃酸にも強く腸内まで到達できます。この乳酸菌は、腸内に生息している善玉菌であるビフィズス菌の増殖を促しますので整腸作用が強いのです。便通を整え、美肌効果ももたらします。

 ちなみに、東京食品研究所で調べた、漬物1gあたりのラクトバチルス菌の存在量は、次のようになっています。

白菜の漬物 480万個
カブぬか漬け 3400万個
たくあん 20万個
キムチ 8億個

 腸の働きを支援するキムチ乳酸菌は強力ですが、腸内でそれほど長く生存することはできません。キムチを毎日少量ずつ摂取するのが効果的な食べ方になります。

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便通改善作用  キムチには、野菜からの食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は消化液で分解できないので、腸内での滞留時間が長くなり、腸の蠕動運動を活発にし便通をよくしてくれます。

 食物繊維は、腸に刺激を与え、整腸作用をもたらすほか、腸内の老廃物も押しだしてくれます。

 キムチに含まれる唐辛子のカプサイシンは、胃腸粘膜を刺激し消化液の分泌を促すので消化促進作用があります。ただし、カプサイシンは刺激性成分なので、あまり多量に摂取すると刺激が強すぎて逆効果となる危険があります。

代謝促進効果  カプサイシンやニンニクに含まれるアリアシン、生姜のジンジョールなどは代謝促進作用があり、基礎代謝をアップさせる効果があります。

 特に、カプサイシンやアリアシンには、深部脂肪を代謝・燃焼させ、ダイエット効果や成人病予防効果をもたらします。同様にキムチに含まれる下記の成分も代謝促進に役立ちます。

キムチに含まれる成分と効用
タウリン  糖の吸収を助け、エネルギー代謝を促進、糖をエネルギーに変換します。

アスパラギン酸  エネルギー代謝を助け、体力増強、疲労回復を促進する。

ニコチン酸  アルコールの分解を助け、脂肪のエネルギー化を促進する。




風作用・注意点 ◆〔キムチ〕の副作用や注意点についてご説明します。
キムチの副作用や注意点

 キムチの副作用という報告はありません。通常の食べ方・摂取量であれば、キムチは非常に安全な食品です。

 しかし、キムチにはビタミンも豊富で唐辛子のカプサイシンも含まれることからダイエット効果があるのですが、漬物の宿命として塩分が含まれていますので、大量に摂取すると、問題もでてきます。

 韓国保健産業新興院の調査結果では、通常人の3倍のキムチを食べる高齢女性には、肥満、高血圧、高脂血症の発症率が高いとされています。また、韓国などの唐辛子を多量に食べる国では、唐辛子の影響として、胃癌の発生率が高くなると指摘されています。

 副作用とは関係ありませんが、キムチを扱う上でひとつ注意点があります。伝統的製法によるキムチは発酵食品ですから、キムチ製造段階ではガスが発生します。そのため、あまり密閉度の高い容器で保管していると数日して破裂する危険性があります。

 衛生管理上の問題ですが、2005年10月、韓国で中国産キムチを調べたところ、寄生虫の卵が検出される事件がありました。寄生虫は主に未熟性のもので白菜から検出されていて、野菜栽培時の糞尿汚染だと考えられています。


料理のコツ ◆〔キムチ〕の料理のコツをご説明します。
キムチの料理のコツ

 キムチはそのまま漬物として食べても美味しいですが、各家庭でもいろいろな料理の具材として活用されています。