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健康食品

〔チーズ〕

チーズとは チーズの種類 チーズの製法 チーズの食べごろ
チーズの保存法 チーズ小物 ピザ&フォンデュ チーズQ&A
フレッシュチーズ 白カビチーズ ウォッシュチーズ シェーブルチーズ
青カビチーズ セミハードチーズ ハードチーズ スモークチーズ
プロセスチーズ チーズいろいろ    

 誰でもチーズという言葉を知っていますが、意外なことに日本語の漢字表記もあるのですね。

 日本語では「乾酪」というそうです。

 チーズは、牛乳や山羊乳、羊乳などの乳に、乳酸菌や酵素を加え凝固させ、水分を取り除いて形を整え、発酵し熟成させた食べ物です。



 チーズの種類によっては熟成させないものもあります。熟成する期間は数週間~数年間といろいろです。

 チーズは大きくは「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」とに分類されます。
 ナチュラルチーズは、乳種や製造・熟成、外観のタイプによって更に7つの種類に分けられます。

 いずれのタイプのチーズにも、もともと乳が持つ良質なたんぱく質や脂肪、ミネラル類、ビタミン類などの栄養価が豊富に含まれています。

ナチュラルチーズのタイプ
フレッシュチーズ

 フレッシュな熟成させないチーズ。常温での保存ができない。

白カビチーズ

 表面に白かびを植えつけて熟成させたチーズ。

青カビチーズ

 内部に青かびを植えつけて熟成させたチーズ。ブルーチーズ。

シェーブルチーズ

 山羊の乳を原料とするチーズ。

ウォッシュチーズ

 表面に菌を植え付けて熟成させ、ワインや塩水などで洗い流す過程を経て作るチーズ。

セミハードチーズ

 加温・加圧などによって水分を除去する過程を経たチーズ。

ハードチーズ

 セミハードチーズと同様の製法で更に水分を少なくしたチーズ。


原産地・歴史 ◆〔チーズ〕の原産地や歴史をご説明します。。
チーズという言葉

 チーズは、牛乳や山羊乳、羊乳などに、乳酸菌や酵素(レンネット)を加え、凝固させ発酵熟成して作る食べ物です。一部のチーズでは熟成させないものもあります。

 ピザやグラタンなどと共に誰でも日常的に食べているチーズですが、チーズについて詳しく知る人は意外と少ないようです。ということもあって、このページではチーズとは何かという観点で調べてみました。

 チーズという言葉はラテン語の「cseus」に由来し、ドイツ語では「Kse」、イタリア語では「cacio」といいます。フランス語では「fromage」といいますが、これはラテン語で「形づくる」を意味する言葉「forma」に由来しています。



チーズの原産地・歴史

 搾りたての乳をそのまま放置しておくと、自然に乳酸菌発酵が起こり、上層部には脂肪が浮きあがり、その下には「ホエイ」と呼ばれる透明の液体の層と、「カード」と呼ばれる乳酸でたんぱく質が凝縮した層とに分離します。

 このことから、人類が家畜を飼い始めた食の頃から、カードは容易に作ることができたものと考えられます。これらの保存には単純な加熱や乾燥、加塩などの方法がとられました。現在でも遊牧民のチーズには、脱脂酸乳を加熱して作るカードに加塩して絞り天日乾燥したものが多くあります。

 チーズの本当の起源は定かではないものの、上記のような段階を経て、家畜の乳からとれる栄養価の高い食品として世界中のさまざまな民族の間で考案されました。このように、そのままでは腐敗しやすい乳の保存性と運搬性を高めたのがチーズの始まりであり、紀元前4000年頃には作られていたものとされています。

 チーズの発見については、「古代のある日、アラブの商人が羊の胃袋の皮で作った水筒にミルクを入れ、砂漠を旅していたとき、喉の渇きを癒そうとしたところ、中から澄んだ水(乳清)と柔らかい白い塊(カード)が出てきた」というのがチーズの発見の最初であるという説が有力だとされています。

 チーズは古くは紀元前3000年頃のメソポタミア時代の粘土板文書に記録があります。その頃のオリエント一帯地方の遺跡からチーズ製造用の「漉(こ)し器」と考えられる多数の土器が出土しています。更に、スイスにある湖上住居文化遺跡からは木製の漉し器が出土しています。古典的な酸凝固型チーズの製造法は、数千年前の古代より既に広い地域に存在したと考えられます。

 チーズが現在のようなチーズになるためには、もう一段階「レンネット(Rennet)」の発見が必要でした。レンネットはプロテアーゼに属する酵素の一種で、凝乳酵素、あるいはレンニン 、キモシンとも呼ばれ、牛などの乳をチーズにする過程で用いられます。

 レンネットは、牛や山羊、羊などの偶蹄目の哺乳期間中の第4胃袋に存在する酵素です。レンネット酵素発見の時代は不明ですが、レンネットを用いる進んだチーズの原産地は西南アジアと考えられています。

 ひとつの証拠として、紀元前900年頃のコーカサス地方にあったウラルトウ王国の城の台所の遺跡から、羊の胃袋の切れ端や穀類、干し葡萄などの酵母が入って土器が見つかっています。



チーズ世界への普及

 レンネットの発見以来、旧来の酸凝固型や加熱濃縮型チーズに加えて、乳酸発酵やレンネット酵素によるチーズの製法が西欧に広まり、多種多様なチーズを生み出しました。

 かくして、チーズは全世界に広まり、牛乳・山羊乳・羊乳・馬乳・らくだ乳・トナカイ乳などという原料乳の種類や風土、製法などの違いによって一説では、現在、世界には800種類ものチーズが存在するようになりました。

 フランスには一村一チーズと呼ばれるほど多数のチーズがありますし、中国にも、チベットのヤクのチーズや、料理に用いられるルーシャンや大良牛乳などの特殊なチーズがあります。モンゴルでは、牛や羊、山羊、馬、らくだの乳からクリーミーなチーズや干した脱脂チーズが作られています。

 西欧でのチーズ作りの技術はシトー修道会(トラピスト)などが重要な役割を果たして進歩しましたが、工業的な生産が始まったのは1851年にアメリカにおいて、ジョージ・ウイリアムがニューヨークに小規模なチェダ-チーズの工場を建設したのが最初です。

 その後、1870年代になると、デンマークのハンセンが精製したレンネットを販売するようになり、20世紀初頭にかけて工業的生産が普及しました。1904年には、アメリカのクラフトがプロセスチーズの製造を開始し、1916年にはチーズを加熱溶解して成型する製法の特許が成立しています。

 チーズは大きくはナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられますが、ナチュラルチーズが加熱処理などしないチーズであるのに対し、プロセスチーズは加熱・溶解させることで発酵を止め、長期保存に適した状態にしたチーズです。

日本でのチーズの歴史

 日本では、飛鳥時代頃から乳牛が伝来し、酪(らく)や、酥(そ)、醍醐(だいご)などと呼ばれる乳製品が存在しました。この乳製品は恐らくは加熱凝縮型のチーズに近いものと推測されています。そして、この醍醐は最上級のチーズのことを指すとされています。「醍醐味」という言葉の語源ともされています。推古天皇の御世には醍醐の品評会が行われたとの記録も残っています。

 日本でレンネット酵素による近代型チーズの最初の生産は、1875年(明治8年)のことで、北海道函館郊外七重の開拓庁勧業試験場において、アメリカ人ダンの指導のもとで行われました。

 函館近郊湯の川のトラピスト修道院において、民間での最初のチーズが生産されたのは1900年(明治33年)のことでした。その後、1933年(昭和8年)になると、現在の雪印乳業が、千歳空港周辺の早来町遠浅(現安平町)で生産を開始しました。

 当初は、保存性のよくないナチュラルチーズは普及せず、プロセスチーズが盛んに作られましたが、第二次大戦後になると、食生活の欧米化も進み、ナチュラルチーズも増大し、国内生産ばかりでなく、海外からの輸入品も販売されるようになりました。

チーズの作り方

 チーズは「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の大きく2つに分類されます。「ナチュラルチーズは」乳種、製造や熟成、外観のタイプによってさらに7つに分けられます。

 チーズには古典的な酸凝固型や乳酸菌型などの方法もありますが、ここでは、レンネットを用いた場合の基本的なチーズ製法(レンネット酵素凝固系チーズ:ゴーダチーズ)についてご説明します。

レンネットを使ったチーズの製法
タンパク質凝固工程  30度C程度に加熱した原料牛乳にレンネット酵素と乳酸菌を加えて、たんぱく質を凝固させ「カード」を形成させます。

ホエイの排除工程  出来上がったカードを細かく切断し、更に加温してカードを収縮させ、乳清(ホエイ)を排除します。

圧搾工程  ホエイの排除を行ったカードを型枠に詰めて、圧搾して残っているホエイを更に除去します。

食塩水浸漬工程  成型されたカードを食塩水に浸漬して塩味をつけます。

熟成工程  塩味付けされたカードを15度C前後の室温で寝かせ数か月間熟成します。この熟成期間に、カードに残っている乳酸菌酵素がたんぱく質や脂肪分を分解して、チーズ独特の風味を作り出します。


 各工程段階で、いろいろな処理を組み合わせることで、いろいろな種類のチーズをつくることができます。

チーズの用途

 チーズは、そのままお酒の肴として食べたり、ピザなどのトッピング具材として用いたりしますが、その他にもいろいろな食品に広く使われています。チーズが用いられる主な用途としては、料理の素材として、お菓子作りの素材として、調味料としてなどに次のようなものがあります。

チーズの用途
料理用 パン
サンドイッチ
ピザ フルーツピザにも用いる。
フォンデュ チーズフォンデュ
パスタ 粉チーズを食前に適量振りかけたり、カルボナーラパスタのようなパスタ料理として
竹輪 紀文のチーちくなど
 
お菓子用 ケーキ チーズケーキ
クッキー
クラッカー クリームチーズ等をのせて食べる。
せんべい チーズおかきなど
イージーチーズ
 

ギネスのチーズ

 チーズの世界にもギネス記録に載っているものがあります。ここではそんな情報サイトをご紹介します。

ギネス記録のあるチーズ
巨大チーズケーキ  2009年1月29日、AFPによると、1月25日にメキシコ市で、メキシコ人シェフらが作った世界一大きなチーズケーキがギネス記録に認定されたという。

 その大きさは実に直径2.5メートル、高さ55センチ、重量は2トン以上もあるという。チーズケーキ完成後に、2万人以上の民衆に振舞われたというから驚き!
ギネス認定の巨大なチーズケーキ、重さは2トン!

世界最大のチーズ  ウイキペディアの記事によると、世界最大のチーズは28.5トンもの巨大なもので、1995年、カナダ・ケベック州のアグローバ酪農組合がスーパーマーケットチェーンの注文で制作したものだという。

 大人のカナダ人が一年で消費するチーズの2500人分の量に匹敵するとのこと。
チーズ



主な栄養成分 ◆〔チーズ〕の主な栄養成分についてご説明します。
チーズの主な栄養成分

 チーズには、さまざまな原乳や製法、熟成期間、保存条件などがあり、同一品種でもその栄養成分が完全に同一ではなく、組成にはかなりの違いがあるのも事実です。

 しかし、チーズは、原料となる乳に含まれるたんぱく質、脂肪分がそのまま移行して含まれること、乳酸菌などの酵素による働きでこれらが吸収されやすい状態になっていることなど栄養食品として特に優れt性質を持っています。

 また、たんぱく質や脂肪分以外でも、カルシウムなどのミネラルやビタミン類の含有量は抜群に多いので非常に栄養価の高い食品です。ここではいくつかのチーズについて、代表的な栄養成分量などを示します。(五訂食品成分表より)

チーズの栄養成分(100g当たり)
種類 エネルギー
kcal
水分
たんぱく質
脂質
炭水化物
食塩相当量
パルメザン 475 15.4 44.0 30.8 1.9 3.8
チェダー 423 35.3 25.7 33.8 1.4 2.0
ゴーダ 380 40.0 25.8 29.0 1.4 2.0
ブルー 349 45.6 18.8 29.0 1.0 3.8
カマンベール 310 51.8 19.1 24.7 0.9 2.0
カッテージ 105 79.0 13.3 4.5 1.9 1.0
プロセス 339 45.0 22.7 26.0 1.3 2.8
牛乳 67 87.4 3.3 3.8 4.8 0.1

 チーズに含まれるミネラルやビタミンなどの微量成分の分析結果の一例を、雪印乳業「6Pチーズ」の場合でご紹介します。

雪印乳業「6Pチーズ」100g当たりの栄養成分例
エネルギー(kcal) 325
たんぱく質(g) 20.8
脂質(g) 26.3
炭水化物(g) 1.2
水分(g) 47
ナトリウム(mg) 1000
カルシウム(mg) 570
リン(mg) 930
鉄(mg) 0.2
カリウム(mg) 66
マグネシウム(mg) 19
ビタミンA(μg) 270 レチノール相当量
ビタミンB1(mg) 0.04
ビタミンB2(mg) 0.32
ビタミンE(mg) 1.2


主な効能・効用 ◆〔チーズ〕の主な効用・効能についてご説明します。
チーズの主な効用・効能

 チーズは、牛乳や山羊乳などの乳を濃縮した形の栄養分を持つ食品ですので、極めて栄養価の高い特徴があります。

 チーズに含まれる主な栄養素は、豊富なたんぱく質や脂質、カルシウムなどのミネラル類、ビタミン類などですから、人の身体によい成分がたっぷり含まれていて、健康の維持や向上に効果が期待されます。

チーズの効用
たんぱく質  たんぱく質はチーズの20%以上を占める主な栄養成分であり「白い肉」と呼ばれるほどに豊富に含まれています。たんぱく質は筋肉や細胞、血液などをつくるとても重要な栄養素です。

 チーズに含まれる豊富なたんぱく質は、冷え性や虚弱体質、胃潰瘍、肝臓病などの改善に効果が期待されます。

脂肪分  脂肪分もたんぱく質同様に重要な栄養成分で、チーズの30%近くを占めています。

 チーズの乳脂肪は、消化がよく「脂肪の中の王様」と呼ばれるほどです。

ミネラル類  人が生きていく上で欠かすことの出来ないカルシウムやカリウム、ナトリウム、リン、鉄などのミネラルをバランスよく含んでいます。

 少量のチーズを毎日食べるだけで、健康を維持するために必要なカルシウムの大部分を摂取できます。特にカルシウムは骨粗しょう症の予防に確実な効果が期待できます。

ビタミン類  チーズには、ビタミンCは含まれて居ませんが、ビタミンAとビタミンB2は豊富に含まれていて、体内での栄養・代謝などの生理機能をコントロールする重要な役割を果たしてくれます。これらは体内では産生することができない貴重な栄養成分です。

 ビタミンAは、身体に抵抗力をつけ病気から体を守る働きをし、ビタミンB2は、身体の成長や疲労回復に効果を発揮します。



風作用・注意点 ◆〔チーズ〕の副作用や注意点についてご説明します。
チーズの副作用や注意点

 チーズは、哺乳類が生存する上で重要な役割を果たす乳から生産される食品であり、基本的に極めて安心・安全な食品です。特別な副作用はありません。

 しかし、強いていえば、チーズには脂肪分が豊富に含まれていますし、塩分もあるのでむやみに大量に摂取するのはよくないかも知れません。特に、口当たりの良いチーズでは、クリームを添加していますから、食べすぎには注意しましょう。


料理のコツ ◆〔チーズ〕の料理のコツをご説明します。
チーズの料理のコツ

 毎日、チーズを少々食べるとカルシウムやビタミンB2、ビタミンAなどの摂取ができ健康によいですが、チーズにはビタミンCは含まれないので、ビタミンCを含む野菜などと同時に摂るのがよいです。


健康食品・サプリメント ◆〔チーズ〕の健康食品・サプリメントはありますか。
市販の健康食品・サプリメント

 チーズの市販健康食品・サプリメントは、オーダーチーズ・ドットコムなどから販売されています。これらのご利用に関しては、販売会社のご説明だけでなく、上記の内容もよく理解して下さるとよいと思われます。

チーズ健康食品・サプリメントの例
オーダーチーズ・ドットコム ・チーズ大好き