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〔劇症型溶血性レンサ球菌感染症〕


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 〔劇症型溶血性レンサ球菌感染症〕は、感染症法の五類感染症に指定されている疾患であり、β溶血を示すレンサ球菌を原因とし、突発的に発症して急激に多臓器不全に進行する敗血症性ショック病態です。

 〔劇症型溶血性レンサ球菌感染症〕の病原体は、A群溶血性レンサ球菌であり、この菌はグラム陽性の球菌で連鎖状配列を形成します。この菌には鞭毛はなく、芽胞を形成しません。


 この病気に感染すると細菌が脚などの筋肉にとりつき、急速に腫れあがり、数時間~数日間で腐敗していく病気なので、〔人食いバクテリア症〕とも呼ばれることがあります。

 妊婦がこの病気に感染すると急速な進行のために治療が間に合わず、発症から1日以内に死亡する例が多数報告されています。

 〔劇症型溶血性レンサ球菌感染症〕の潜伏期間は2~5日とされています。

 通常、初発症状として、38度C以上の突然の発熱、咽頭痛、リンパ節の腫れ、食欲不振や吐き気、嘔吐、下痢などの消化管症状、全身倦怠感、低血圧などの敗血症症状、筋肉痛などが現れます。

 このような明らかな前駆症状がない場合もあります。

 その後、発病から数十時間以内に急激かつ劇的に、後発症状として、軟部組織病変、循環不全、呼吸不全、血液凝固異常(DIC)、肝腎症状などの多臓器不全をきたし、24時間以内に完全な多臓器不全にまで進行してしまい、ショック状態から死に至ることが多くなります。

 日本での最初の症例は1992年に報告されていて、現在までに200人以上の患者が確認され、約30%の人が死亡しています。


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