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〔髄膜炎菌性髄膜炎〕


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 〔髄膜炎菌性髄膜炎〕あるいは〔流行性脳脊髄膜炎〕は、感染症法の五類感染症に指定された疾患であり、〔化膿性髄膜炎〕の中で髄膜炎菌を原因菌として起こる感染症の病気です。

 〔髄膜炎〕を引き起こす病原性細菌はいくつか存在しますが、髄膜炎菌が最も大規模な流行を引き起こすので〔流行性髄膜炎〕」とも呼ばれます。


 髄膜炎菌は、グラム陰性で非運動性の双球菌で、患者のくしゃみなどによる飛沫感染で伝播し、気道を介して血中に侵入します。

 そして、血中から髄液にまで侵入して〔敗血症〕や〔髄膜炎〕を起こします。こうして、人から人へは飛沫感染で感染し流行します。

 〔髄膜炎菌性髄膜炎〕の潜伏期間は2~5日ほどです。感染すると、髄膜炎菌は気道を介して血中に入り込み、〔菌血症〕あるいは〔敗血症〕を起こして高熱や皮膚、粘膜における出血斑、関節炎等の症状が現れます。

 多くの場合は、〔菌血症〕で症状が回復し、一過性の発熱や髄膜刺激症状など、ごく軽度の髄膜炎症状の後に自然治癒します。

 しかし、転移病巣を生じて完全な髄膜炎にまで発展すると、次のような主症状を呈します。

 ・頭痛
 ・吐き気
 ・精神症状
 ・発疹
 ・項部硬直

 〔髄膜炎〕まで進行した場合、抗菌薬が有効であり、早期に適切な治療をすれば治癒しますが、適切な治療を施さければ、ほぼ100%、死に至ります。

 劇症型に進展することがあり、この場合には、突然発症し、高熱、頭痛、痙攣、意識障害、昏睡症状を呈し、〔DIC(汎発性血管内凝固症候群)〕を伴いながら、ショックに陥り、1~2日後には死に至ります。

 稀に、軽快と治癒を繰り返すような慢性型もあるとされています。

 〔髄膜炎菌性髄膜炎〕は、多くの場合軽症で終わりますが、劇症型となり死に至るのは、小児で5%、成人で10~15%とされています。

 全世界では毎年30万人の患者が発症し、3万人が死亡しています。近年の日本での発症は非常に少なくほとんど例がありません。


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