〔クラミジア肺炎(オウム病を除く)〕は、感染症法の五類感染症に指定された疾患です。 この肺炎は、「クラミジア」という細菌により引き起こされます。 クラミジアによる肺炎には、次の三種類の細菌により引き起こされる肺炎があります。
・肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)
・トラコーマ・クラミジア(クラミジア・トラコマーティス)
・オウム病クラミジア
肺炎クラミジアならびにトラコーマ・クラミジアによる〔肺炎〕と、〔オウム病〕とは病態などが著しく異なるため、五類感染症では、これらを区分し、前2者を〔クラミジア肺炎(オウム病を除く)〕として分類しています。 病原体のクラミジアは、細菌の一種ですが、細胞壁を有しグラム陰性球菌に類似していますが宿主細胞の細胞内に寄生する偏性細胞内寄生体と呼ばれる特殊な細菌です。 クラミジア菌は、ヒトを宿主として飛沫感染により伝播し、〔急性呼吸器感染症〕を起こします。 通常は、密接に接触する者の間で小規模に感染が広がります。 〔クラミジア肺炎〕は、〔市中肺炎〕としてよく見られる〔肺炎〕です。 妊婦がクラミジアに感染していると、新生児が産道感染し、結膜炎や鼻炎、肺炎になることがあります。 クラミジアの潜伏期間は3~4週間です。潜伏期間を経て、発症しますが、原因菌が 「クラミジア・トラコマーティス」の場合と「クラミドフィラ・ニューモニエ」の場合とで症状の現れ方は多少異なります。 クラミジアトラコマティスによる肺炎は主に新生児に、クラミジアニューモニアエによる肺炎は小児から老人まで幅広く見られます。 クラミジア肺炎の発症は0~14歳の子供と65歳以上の成人に多く見られます。