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〔急性出血性結膜炎〕


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 〔急性出血性結膜炎〕は、感染症法の五類感染症に指定された疾患であり、主として二つのエンテロウイルス、エンテロウイルス70(EV70)とコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)よって引き起こされる、激しい出血症状を伴う結膜炎です。

 アポロ11号が月面着陸に成功した1969年に流行したことから、〔アポロ病〕の異名もあります。


 原因病原体である二つのエンテロウイルスは、ヒトからヒトに直接接触で感染し、主に結膜に感染する特徴があります。

 この病気の好発年齢は、6~7歳以下の幼少児が多く、特に1~4歳の幼児に多く発症します。

 結膜からの出血が特徴的な症状です。この病気に対するウイルスを直接死滅させる医薬はなく、今のところ、特別な治療法はありません。

 〔急性出血性結膜炎〕の潜伏期間は1~3日間です。

 その後、突然の強い眼の痛み、ゴロゴロ感、眩しさなどの症状で始まり、結膜の充血、まぶたの腫れ、結膜下白目にボツボツとした点状出血が出現し、目やにや流涙が起こります。

 最初は片眼だけの症状であっても、1~2日以内には他方の眼にもうつり両眼性となります。

 頭痛、発熱、呼吸器症状などの全身症状も現れますが、約1週間すると治癒します。

 EV70ウイルスが原因の場合、羅患後6~12か月内に四肢の運動麻痺を来たすことがあるので、経過観察が重要です。

 この病気は、日本では、沖縄、長崎、熊本、鹿児島など九州各地でしばしば流行します。

 〔急性出血性結膜炎〕は、略号および英語では〔AHC:Acute Hemorrhagic Conjunctivitis〕と呼ばれます。


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