〔急性脳炎〕は、感染症法の五類感染症に指定された疾患であり、様々な病原体による脳組織の炎症に起因する疾患の総称です。 〔急性脳炎〕を引き起こす病原体には、次のようなものなどがあります。
・単純ヘルペスウイルス ・エコーウイルス ・エンテロウイルス ・コクサッキーウイルスA ・コクサッキーウイルスB ・ムンプスウイルス ・アルボウイルス ・トガウイルス ・フラビウイルス ・プニアウイルス ・狂犬病ウイルス ・アデノウイルス ・麻疹ウイルス
また、最近インフルエンザウイルスも脳炎・脳症の原因になることが明らかになっています。 〔急性脳炎〕の感染経路は、病原体ごとに異なります。また、〔急性脳炎〕の潜伏期間も病原体ごとにことなります。 ウイルス感染などにより、脳内に炎症やむくみが起こります。頭蓋内圧が上昇するために、急性の発熱、髄膜刺激症状、痙攣や意識障害、精神障害などの症状が現れてきます。 髄膜刺激症状として頭痛、吐気、嘔吐などの自覚症状が出現し、頚部硬直やケルニッヒ徴候などの他覚症状が出ることもあります。意識障害は軽度から高度まで起こります。精神障害として発揚、せん妄などの症状が出現します。 早期に適切な治療をすれば、多くの場合回復しますが、知能障害や運動機能障害を残すこともあります。 〔急性脳炎〕は、全世界で発症しますが、好発年齢は2~4歳で、男女差はありません。原因となる病原体により好発時期は異なります。