体の組織にある蛋白質は、常に古いものから新しいものに入れ替わります。このため、蛋白質やそれを構成するアミノ酸を次々と補給しなくてはなりません。
1日あたりの蛋白質の必要摂取量は、標準体重 1kg あたり最低 1~1.2g の良質な蛋白質が必要とされています。たとえば、体重60kgの人なら、60~72gの蛋白質の摂取が必要となります。これは食品の重量ではなく、あくまでも食品中に含まれている蛋白質の重量です。
大体の目安量ですが、ご飯や野菜類、果物などを適量食べた上で、蛋白質食品として、「魚一切れ+牛肉80g+卵1個+納豆1個+牛乳1本」くらいを、摂取すればいい量になります。
食品の100g中に含まれる蛋白質量の目安を下の表に示します。
食品名 |
食品100g中の蛋白質量(g) |
卵 |
12.3g |
木綿豆腐 |
6.6g |
納豆 |
16.5g |
大豆 |
35.3g |
牛乳 |
3.3g |
プロセスチーズ |
22.7g |
牛もも肉 |
18.9g |
鶏手羽 |
17.5g |
鶏胸肉 |
19.5g |
豚もも肉 |
21.5g |
かき貝 |
6.6g |
いか |
17.6g |
あさり |
6.0g |
かつお春もの |
25.8g |
かれい |
19.6g |
鮭 |
22.3g |
たら |
18.1g |
かまぼこ |
12.0g |
たこ |
16.4g |
くるまえび |
21.6g |
蛋白質を過剰摂取すると、体内に入ったアミノ酸は代謝されて脂肪に変化するか体外に排出されます。特に、成人し成長が止まった後に蛋白質の過剰摂取があると、体内アミノ酸は脂肪に転換されて蓄積され体は肥満となります。また、体外への排出が多いと、血液が酸性になるのを中和するために、カルシウムが消費されます。このとき、カルシウムの摂取量が十分でないと、骨のカルシウムが使われてしまい骨粗鬆症の原因になります。
更に、動物性蛋白質食品は、動物性の脂肪やプリン体も多く含むので、動物性脂肪の摂りすぎは高脂血症の原因に、プリン体の摂りすぎは痛風の誘因にもなります。蛋白質を食べるときは、おかずとして野菜類などを多く摂ってバランスさせないといけません。
一方、蛋白質摂取が不足すると、成長阻害・下痢・むくみ・食欲不振・疲労・貧血・精神障害などの全身障害が出てきます。
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