ステロイド薬は「副腎皮質ホルモン薬」のことで、喘息治療に対して最も効果を発揮する薬剤です。ステロイド薬は、発作を起こさないようにするための長期管理薬としても、また強度な発作を抑える発作治療薬としても使用されます。
ステロイド薬には「全身投与薬」と「局所投与薬」とがあります。ステロイド薬の薬剤型としては、次のようなものなどがあり、その使用を長期管理薬として使用するのか、発作を抑制するために使用するのかなどの目的によって使い分けられます。
・内服薬
・注射薬
・塗り薬
・吸入ステロイド薬
全身投与薬である内服薬や注射薬は、発作抑制および発作軽減のために使用され効果を発揮しますが、長期にわたり使用を続けると、深刻な副作用が出現する可能性が高いため、極力局所投与を行うべきであり、かつ多くの場合に局所投与で良好な効果も期待できます。
気道局所薬である吸入ステロイド薬は、気管支喘息の長期療養薬として使用されます。また、ステロイドの塗り薬もありますが、これは、炎症を起こして湿疹ができてしまった部位に塗ると顕著な効果を発揮します。ステロイド薬については、いずれの場合も使用方法について医師による処方箋や指示が必要です。
気管支喘息 |
内服薬、注射(発作抑制、発作軽減)
吸入ステロイド薬(長期管理治療薬)
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アレルギー性鼻炎 |
ステロイド点鼻薬 |
アレルギー性結膜炎 |
ステロイド点眼薬 |
アトピー性皮膚炎 |
ステロイド軟膏・ステロイドクリーム |
ステロイド薬は、効き目の強さで 5段階に分類されていて、症状の部位、病態の程度、年齢などに合わせて使い分けられています。
当初は強い段階のステロイド薬を使用しても、症状が軽減された場合などには、ランクの低いものに切り替える必要があります。下記に主なステロイド薬のランクを示しておきますので、もしも現在ステロイド治療薬を使用している場合には、ランクを確認してみてください。
ランク |
薬の強さ |
主な薬品名 |
I群 |
最も強い |
・プロピオン酸クロベタゾール
・酢酸ジフロラゾン
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II群 |
かなり強い |
・プロピオン酸デキサメタゾン
・ジフルプレドナード
・ジプロピオン酸ベタメゾン
・プテソニド
・吉草酸ジフルコルトロン
・フルオシノニド
・アムノシニド
・ハルノシニド
・酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
・フランカルボン酸モメタゾン
・酪酸プロピオン酸ベタメゾン
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III群 |
強い |
・吉草酸デキサメタゾン
・プロピオン酸デプロドン
・吉草酸ベタメゾン
・プロピオン酸ベクロメタゾン
・吉草酸酢酸プレドニゾロン
・フルオキシノロンアセトニド
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IV群 |
弱い |
・プロピオン酸アルクロメタゾン
・トリアムシノロンアセトニド
・ビバル酸フルメタゾン
・酪酸ヒドロコルチゾン
・酪酸クロベタゾン
・デキサメタゾン配合剤
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V群 |
かなり弱い |
・酢酸デキサメタゾン
・酢酸メチルプレドニゾロン
・メチルプレドニゾロン
・酢酸ヒドロコルチゾン
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ステロイド薬の特に全身投与を長期にわたり行うと、次のような深刻な副作用が出ることがあります。また、ステロイド軟膏などでも皮膚の萎縮や皮膚が薄くなり弱くなることがあります。特に顔面では、血管が浮き出て赤ら顔になったりします。
・副腎皮質機能の低下
・糖尿病
・胃潰瘍
・易感染症
・骨粗しょう症
・白内障
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