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〔下痢原性大腸菌感染症〕

 通常、ヒトの大腸内には、常在細菌として大腸菌が存在していますが、これらが大腸内に留まる限りは特別な病原性は示しません。

 しかし、これとは別に5種類の大腸菌の存在が知られており、これらの大腸菌は、下痢や腹痛、発熱などの症状を引き起こします。


 〔下痢原性大腸菌感染症〕は、これら一群の大腸菌類が引き起こす感染症であり、原因病原体には次のような種類があります。

 ・腸管病原性大腸菌 (狭義)
 ・腸管出血性大腸菌
 ・腸管組織侵入性大腸菌
 ・毒素原性大腸菌
 ・腸管凝集付着性大腸菌などです。


 これらの菌により起こる病気である、下痢原性大腸菌感染症は、衛生環境の整っている地域では少ないですが、開発途上国などではよく発生します。

 下痢原性大腸菌感染症の潜伏期間は、原因大腸菌の種類により異なると考えられますが、通常、12~72時間程度とされています。

 衛生環境の進んだ地域では、大腸菌感染症の発生頻度は多くありませんが、日本では、海外で感染し帰国した人に下痢原性大腸菌感染症が発生する場合があります。


下痢原性大腸菌感染症の症状
腸管病原性大腸菌

 腸管病原性大腸菌(EPEC)による食中毒の主症状は、下痢、腹痛、発熱、嘔吐などです。乳幼児などでは、非細菌性胃腸炎などより重症となり、コレラ様の脱水症状を呈することもあります。

腸管侵入性大腸菌

 腸管侵入性大腸菌(EIEC)の病原性は、赤痢菌と同様な作用をし、菌の粘膜上皮細胞への侵入、増殖、隣接細胞への伝播による上皮細胞の壊死、脱落、潰瘍形成や炎症像がみられます。

 乳幼児などで重症化すると、コレラ同様な脱水症状や、赤痢様の血便、粘血便、しぶり腹などの症状を呈することがあります。

毒素原性大腸菌

 毒素原性大腸菌(ETEC)による食中毒の主症状は、下痢です。吐き気や嘔吐、軽度の腹痛、発熱を伴うこともあります。日本における下痢原性大腸菌による食中毒事例の中ではこの大腸菌による発生件数が最も多くなっています。

腸管凝集性大腸菌

 腸管凝集性大腸菌(EAEC)による食中毒の主症状は、2週間以上持続する下痢です。一般的には、粘液を含む水様性の下痢や腹痛が主体で吐き気や嘔吐は少ないです。

腸管出血性大腸菌

 腸管出血性大腸菌(EHEC)による食中毒の主症状は、水様性下痢、激しい腹痛、血便などの症状です。約10%の患者では、下痢に引き続き、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの合併症を発症し重篤化する恐れがあります。