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〔アメーバ症〕

 〔アメーバ症〕は、単細胞の寄生虫である赤痢アメーバにより引き起こされる大腸などの器官の感染症です。

 病原体である赤痢アメーバには、活性状態の「栄養型」と休眠状態の「シスト(嚢子)」と呼ばれる二つの型があります。

 シストは卵のようなもので、これがヒトの体内に侵入すると、栄養型になり増殖し、腸壁に潰瘍をつくり下痢症を引き起こします。


 このように赤痢アメーバの生活環は、栄養型と嚢子で構成されますが、感染能力を持つのは成熟嚢子だけです。一部の栄養型赤痢アメーバは、シストをつくり便とともに排泄されます。

 栄養型自体は排泄されると死滅しますが、頑丈なシストは生き延びます。ヒトへは、シストを含む排泄物で汚染された飲食物などを介して感染します。人糞を使用する畑での農作物、感染者の調理した料理などが直接の感染源となります。


 赤痢アメーバはまず大腸に感染しますが、肝臓など他の臓器にも感染が及ぶことがあります。

 赤痢アメーバなどの潜伏期間は数日~数か月におよびますが、平均的には2~4週間とされています。アメーバに感染しても発症するのはごく少数です。

 菌が経口摂取されると、シスト(嚢子)は小腸内で脱嚢して栄養型虫体となります。


 この栄養型虫体が大腸粘膜に侵入し潰瘍を形成すると腸アメーバとなります。腸アメーバ性の潰瘍は、盲腸から上行結腸にかけてとS状結腸から直腸によくできます。また、アメーバが腸管腔のみに存在すれば無症状のシスト保有者となります。

 腸アメーバ症は、粘血便を伴うイチゴゼリー状の下痢と腹痛を主症状としますが、症状は比較的緩やかです。数週間間隔で症状発現と寛解を繰り返すことが多く、間隔が延長して慢性化することもあります。慢性になると痩せたり貧血の症状を伴います。アメーバ腫と呼ばれる大きな塊が形成されて腸を塞ぐこともあります。

 大腸で炎症を起こす場合の5%ほどでは、栄養型アメーバが腸壁を通り抜けて他の臓器に侵入し腸管外病変を形成することがあります。その典型例は、肝膿瘍で、肝臓に達した栄養型アメーバが微小膿瘍を形成し、やがてアメーバ性肝膿瘍に進行します。38~40度Cの発熱、右季肋部痛・圧痛、肝腫大、嘔気、嘔吐などを伴います。

 まれな例として、心嚢、肺、脳、皮膚などの赤痢アメーバ症も起こります。

 一般にアメーバ症は、中南米、アフリカ、インドなど衛生状態の悪い開発途上国などに多くみられる病気で、日本では海外渡航者に多いです。しかし、国内固有の発生も報告されていて、ある種の性感染症ともいわれています。