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〔旋尾線虫症〕

 〔旋尾線虫症〕は、旋尾線虫という寄生虫の感染により引き起こされる感染症です。

 病原体の旋尾線虫は、最終宿主と成虫とが不明ですが、旋尾線虫の幼虫は、「旋尾線虫症 Type X」と呼ばれ、ホタルイカや、ハタハタ、タラ、スルメイカ、アンコウなどの海産魚介類の内臓に寄生しています。

 この虫の体長は、5~10mmほどです。


 旋尾線虫の幼虫 Type Xは、ホタルイカの2~6%ほどに寄生しているとされ、酒の肴としてのホタルイカの「踊り食い」などと呼ばれる生食によりヒトの体内に侵入すると考えられます。


 一般にヒト意外の動物を呼吸宿主とする寄生虫の幼虫は、ヒトの体内に侵入すると成虫に発育することはできず、幼虫のまま身体内を移動し、いろいろな症状を引き起こします。このような症候群を「幼虫移行症」と呼んでいます。

 日本では、酒の肴として刺身、寿司、酢漬けなど生鮮魚介類の加熱なしでの調理品を摂取する習慣があり、幼虫移行症が多くみられます。その典型食品がホタルイカの踊り食いです。


 旋尾線虫による幼虫移行症になると、腸閉塞などの急性腹症や皮膚に線状の爬行疹を引き起こすなどの症状が現れます。

 旋尾線虫幼虫移行症は、主にホタルイカの生食で発症しますが、旋尾線虫の感染した部位により、3つの型があります。

 ・急性腹症型
 ・皮膚跛行疹型
 ・前眼房寄生型

 この内、急性腹症型と皮膚跛行疹型が大部分であり、前眼房寄生型は過去に1例の報告があるだけです。

 旋尾線虫幼虫移行症の潜伏期間は、感染部位により異なりますが、接触後数時間~2週間ほどです。

 ホタルイカの生食は酒の肴として食べられることが多いため、中年男性への感染が最も多く、女性や幼児には少ない傾向があります。時期的には、ホタルイカの漁期が3~8月であり、4~5月の発症件数が多くなっています。


旋尾線虫幼虫移行症の症状
急性腹症型

 急性腹症は腸閉塞型とも呼ばれるタイプの症状で、摂食後数時間~2日間の潜伏期間後に腹部膨満感や腹痛、嘔吐により発症します。腹痛や嘔吐は2~10日くらい持続して回復します。

 この急性腹症型には、機械的な腸閉塞を呈する劇症型と、麻痺性腸閉塞を引き起こす緩和型とがあります。

皮膚跛行疹型

 皮膚跛行疹型は、摂食後2週間前後して、腹部より皮疹が現れて発症します。腹部に現れた、幅数ミリ程度の赤い線状皮疹が1日に2~7cmくらい蛇行して伸長してゆきます。

 真皮の比較的浅い部位を旋尾線虫体が移動するので、浮腫状に隆起したり、しばしば水疱も出現します。

前眼房寄生型

 前眼房内への寄生は過去に1例報告されているが、詳細は定かではない。