基本分野選択:HOME健康・医療館 現在:PC版スマホ版へ移動 今日の運勢館おすすめカラオケ愛唱館
sentofu体の病気心の病気医療技術医薬品健康増進栄養成分健康食品全身美容保険介護健康用語nullサイト情報


 
保険介護保険介護全般健康保険介護保険老人福祉医療制度  
保険介護

〔病理診断:病理標本作製料〕

 
 手術などの治療を行う上で、患部の状態を正確に判断するために、組織細胞の一部を採取して検査し確定診断する必要があります。

 採取された細胞や組織の検査には、その検査の特性に合わせた標本として、次の表で示すような検査標本が作製されます。


検査・診断用サンプルの種類
病理組織標本 顕微鏡の透過光線下で病理組織を観察するための標本
電子顕微鏡病理組織標本 電子顕微鏡による病理診断のための病理組織標本
免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本 免疫染色は抗体を用いて、組織標本中の抗原を検出する組織学的手法で、抗原抗体反応(免疫反応)を可視化するために発色操作標本
術中迅速病理組織標本 手術中に迅速凍結切片等により作製された標本
術中迅速細胞診 手術方針等を決めるために、手術中に採取した細胞診検体
細胞診 顕微鏡観察用に針で穿刺したり、内視鏡で病変部を採取した標本
HER2遺伝子標本 乳がん、卵巣がん等に関与するHER2遺伝子の観察用標本

 これらの方法で作製された細胞や組織の標本は、HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色や特殊染色、免疫染色などで染色し光学顕微鏡で調べるのが主体ですが、手術の方針を決めたり、手術中に良性、悪性などの診断・判断等のために使用されます。

 病理組織標本作製の内、次のものは、それぞれ各区分ごとに1臓器として算定されます。また、1臓器から多数の標本を作製しても、悪性腫瘍がある臓器又はその疑いがある臓器から多数の標本を作製しても、1臓器の標本作製として算定されます。

それぞれ1臓器として算定される標本
気管支及び肺臓 食道 胃及び十二指腸  小腸
盲腸 S状結腸 直腸 子宮体部及び子宮頚部
上行結腸、横行結腸及び下行結腸

 病理標本作製に当たって、3臓器以上の標本作製を行った場合は、3臓器を限度として算定されます。また、リンパ節については、所属リンパ節ごとに1臓器として数えますが、複数の所属リンパ節が1臓器について存在する場合は、当該複数の所属リンパ節を1臓器として数えます。

病理標本作製料 ◆〔病理標本作製料〕についてご説明します。
病理組織標本作製

 病理組織標本作製で次のものは、各区分ごとに1臓器として算定されます。

 ・気管支及び肺臓
 ・食道
 ・胃及び十二指腸
 ・小腸
 ・盲腸
 ・上行結腸、横行結腸及び下行結腸
 ・S状結腸
 ・直腸
 ・子宮体部及び子宮頸部

 病理組織標本作製において、1臓器から多数のブロック、標本等を作製した場合であっても、1臓器の標本作製として算定します。

 病理組織標本作製で、悪性腫瘍がある臓器又はその疑いがある臓器から多数のブロックを作製し、又は連続切片標本を作製した場合であっても、所定点数のみ算定します。

病理組織標本作製料
項目 点数 備考
病理組織標本作製 880点 1臓器につき

電子顕微鏡病理組織標本作製

 電子顕微鏡病理組織標本作製は、腎組織、甲状腺腫を除く内分泌臓器の機能性腫瘍、異所性ホルモン産生腫瘍、軟部組織悪性腫瘍、ゴーシェ病等の脂質蓄積症、多糖体蓄積症等に対する生検及び心筋症に対する心筋生検の場合において、電子顕微鏡による病理診断のための病理組織標本を作製した場合に算定されます。

 電子顕微鏡病理組織標本作製、病理組織標本作製、免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製のうち、いずれを算定した場合であっても、他の2つの項目を合わせて算定することができます。

電子顕微鏡病理組織標本作製料
項目 点数 備考
電子顕微鏡病理組織標本作製 2000点 1臓器につき

免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製

 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製はに免疫染色を行った場合、方法(蛍光抗体法又は酵素抗体法)又は試薬の種類によらず1臓器につき1回のみ算定します。  その他の標本で確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者の標本作製を実施した場合には、所定点数に1600点を加算します。  「確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者」とは、悪性リンパ腫、悪性中皮腫、消化管間質腫瘍(GIST)、慢性腎炎、内分泌腫瘍又は軟部腫瘍が疑われる患者を指します。この場合、3種類以下の抗体で免疫染色を行っても加算は算定できません。

免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製料
項目 点数 備考
エストロジェンレセプター 720点
プロジェステロンレセプター 690点
HER2タンパク 690点
EGFRタンパク 690点
その他 400点 1臓器につき。4種類以上の抗体を用いた免疫染色標本作製1600点を加算

術中迅速病理組織標本作製

 術中迅速病理組織標本作製は、手術の途中において迅速凍結切片等による標本作製及び鏡検を完了した場合に、1手術につき1回算定されます。

 摘出した臓器について、術後に再確認のため精密な病理組織標本作製を行った場合は、病理組織標本作製の所定点数を別に算定します。

 テレパソロジー(通信回線を介しての遠隔病理診断)による場合は、許可された保険医療機関間において行うときに限り算定されます。この場合、送信側の保険医療機関において術中迅速病理組織標本作製及び病理診断料を算定できます。受信側の保険医療機関における診断等の費用は、受信側、送信側の合議によります。

術中迅速病理組織標本作製料
項目 点数 備考
術中迅速病理組織標本作製 1990点

術中迅速細胞診

 術中迅速細胞診は、手術途中で腹水及び胸水等の体腔液の検体標本作製及び鏡検を完了した場合において算定します。

 テレパソロジー(通信回線を介しての遠隔病理診断)による場合は、許可された保険医療機関間において行うときに限り算定されます。この場合、送信側の保険医療機関において術中迅速病理組織標本作製及び病理診断料を算定できます。受信側の保険医療機関における診断等の費用は、受信側、送信側の合議によります。

術中迅速細胞診料
項目 点数 備考
術中迅速細胞診 450点 1手術につき1回

細胞診

 腟脂膏顕微鏡標本作製、胃液、腹腔穿刺液等の癌細胞標本作製及び眼科プロヴァツェク小体標本作製並びに天疱瘡におけるTzanck細胞の標本作製は、細胞診により算定します。

 同一又は近接した部位より同時に数検体を採取して標本作製を行った場合であっても、1回として算定します。

 「穿刺吸引細胞診、体腔洗浄等」とは、喀痰細胞診、気管支洗浄細胞診、体腔液細胞診、体腔洗浄細胞診、体腔臓器擦過細胞診及び髄液細胞診等を指しています。

細胞診料
項目 点数 備考
婦人科材料等によるもの 150点 1部位につき
穿刺吸引細胞診、体腔洗浄等によるもの 190点 1部位につき

HER2遺伝子標本作製

 HER2遺伝子標本作製は、乳癌の術後の患者又は乳癌の転移が確認された乳癌患者に、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体抗悪性腫瘍剤の投与の適応判断の目的で、FISH法により遺伝子増幅標本を作製した場合に、当該抗悪性腫瘍剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定します。

 本標本作製と免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製の「HER2タンパク」を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定します。

 治癒切除不能な進行又は再発の胃癌患者に対して行う場合は、乳癌患者に行う場合に準じます。

HER2遺伝子標本作製料
項目 点数 備考
HER2遺伝子標本作製 2500点 抗悪性腫瘍剤の投与方針決定までの間に1回を限度