〔霊芝〕

　霊芝の傘や柄を含めた子実体を乾燥させたものがは、そのまま長年保存できるので、万年茸と呼ばれるようになったとされます。万年という言葉は縁起がよいとされ「幸茸（サイワイタケ(）」「門出茸（カドデタケ）」などとも呼ばれます。

　霊芝の分布は全世界に知られていますが、原産地は分かっていません。

　天然の霊芝は、高湿度山地の樹木やその切り株に自生する、サルノコシカケ科の茸ですが、天然の霊芝は極めて珍しいです。中国では紀元前206年～紀元8年頃、薬草療法として使われたと記録があります。

　1971年に京都大学の直井幸雄により人工栽培技術が作られ、量産が可能となるとともに、霊芝の持つ効果・効能が解明されるようになりました。

　霊芝には62種類がありますが、薬用として用いられるものには6種類があります。

霊芝の種類・名称

赤霊芝	アミノ酸・タンパク質・プロビタミンD2・アルカロイド・多糖類などを含む。
青霊芝
黄霊芝
黒霊芝
白霊芝
紫霊芝

　霊芝に含まれる主な栄養成分は、多糖類（β－グルカン）、トリテルペン等です。

　β－グルカンには強い抗ガン作用があり体内の免疫細胞である、T細胞やマクロファージを活性化させることで体内の免疫力を高め抗ガン作用を発揮します。

　トリテルペンはガノデリックアシドとも呼ばれ、IｇE抗体の過剰な放出を抑制します。IｇE抗体が過剰に蓄積すると、ヒスタミンの過剰放出が起こり、いろいろなアレルギー反応が引き起こされます。

　霊芝の効果・効能については多くの実験、研究がなされ、その効果・効能が解明されています。主に実験動物での結果ですが、抗癌作用、免疫賦活作用、血小板抗凝固作用などがあるとされています。

　霊芝により期待される効果・効能には、抗がん作用の他、血圧降下、血栓予防、高脂血症予防、B型肝炎の症状の改善などです。

　霊芝は、度を過ごさず適切に摂取する限りであれば、安全性は高いとされますが、軽微な副作用がでることもあります。

　霊芝を3～6か月以上の長期間摂取した場合に発症するかも知れない副作用は、めまい、口・喉の渇き、鼻水、鼻血、かゆみ、胃のむかつき、血便などです。

　霊芝を乾燥させたものは一種の生薬であり「仙草」と呼ばれています。

　乾燥した霊芝数グラムを500ｍLの水に入れて、30分くらい浸漬し、沸騰させた後、とろ火にかけ、水分が半分以下に減少するまで煎じます。この煎じ薬を飲用にします。

　霊芝の煎じエキスや煎じかすを湯船に入れ霊芝風呂とします。霊芝風呂には血行を良くする作用や美肌効果があります。