酢酸菌は、酸を生産するために耐酸性がありますが、pH5.0以下の酸性環境下でも問題なく成長します。
酢酸菌を活用する代表例は、食酢の醸造ですが、これには、アセトバクター・アセチという菌が使われます。こうして作られる食酢は世界最古の調味料ともいわれています。
酢をつくる目的ではなくても、ワインに酢酸菌が混入するとワインビネガーという酢になってしまいます。
シードルに混入すればリンゴ酢になります。このように変化してしまったワインやシードルも毒ではなく酢として使えます。
アセトバクター・キシリナム(ナタ菌)という酢酸菌は、グルコースなどの糖類を発酵してセルロース線維を合成する作用があり、これを応用したのがナタ・デ・ココと呼ばれる食品です。
酢酸菌の作用により作られる食品には次のようなものがあります。
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食酢
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原料となる穀物、果実から酒を醸造し、そこへ酢酸菌を加え、酢酸発酵させて作られ、食用に供される。
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ナタ・デ・ココ
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ココナッツジュースに酢酸菌(ナタ菌)を加えて発酵させると表面からジュースが凝固し、セルロース性のゲル状物質となり、食用に供される。外観は寒天に近いが、食感には独特の歯ごたえがある。
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紅茶キノコ
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紅茶に砂糖を加えた培地で栽培されるキノコ状のゲル状の塊で健康食品となる。
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カスピ海ヨーグルト
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カスピ海ヨーグルトは、世界有数の長寿国グルジア共和国から、家森幸男さんが持ち帰ったヨーグルトで、便秘解消や血圧改善、ダイエット効果があるとされる。
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スメタナ
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スメタナは東欧などの原産の発酵乳の一種で、サワークリームのことです。好みによって多くの料理に添えて食されます。
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