バナナの原産地は、アジアの熱帯地域、マレーシア半島などですが、栽培の歴史は極めて古く、パプアニューギニアなどでは既に紀元前5千年ころには栽培されていたとされます。
バナナは、アジアやラテンアメリカの熱帯地域で大規模に栽培されていて、全世界での年間生産量は1億トンにも達しています。日本では、バナナは他の果物に比して圧倒的に輸入量が多く、年間100万トン以上が安定的に輸入されています。
輸入先は、フィリピン、エクアドル、台湾、ペルー、メキシコなどです。最も多く輸入されるのは、フィリピン産の「ジャイアント・キャベンディッシュ」とう品種で全体の8割ほどを占めています。国内産の島バナナも少量ながら沖縄などで栽培されています。
昭和30年代初期頃までは、バナナは高価で珍しい果物だったので、その頃の子供は風邪で高熱でも出さない限り食べさせてもらえませんでした。当時のバナナは、おみやげや病気の時などにしか食べられない特別な食べ物だったのです。
フィリピンバナナ
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最も輸入量の多いフィリピンバナナの品種は、ジャイアント・キャベンディッシュが大部分です。果肉はなめらかでさっぱりした甘味を持ちます。標高400~1000mで栽培されるものは「高原バナナ」と呼ばれ、国内では「スウィーティオ」「プレシャス」および「完熟王」などの名称で販売されています。
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台湾バナナ
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昭和初期~中期には主に台湾バナナが輸入されていましたが、台湾バナナの品種は「北蕉」および「仙人蕉」などです。緻密な果実にはねっとりした舌触りと濃厚な甘味がありますが、流通量はごくわずかで価格もちょっと高めです。
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エクアドルバナナ
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エクアドルバナナの品種は、「サニートバナナ」「エナーノバナナ」「グラネイン」などです。フィリピンバナナに似ていて、独特の甘味をもっています。
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モンキーバナナ
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モンキーバナナはフィリピンから輸入される「セニョリータ」という品種のバナナで、長さが7~9cmほどと小さいバナナです。薄い皮で柔らかい果肉を持ち、甘味は濃厚です。小さい子供のおやつとして人気があります。
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レッドバナナ
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レッドバナナは「モラード」という品種のバナナで、果皮は赤茶色で、果実は少し短く太めの円筒形をしているバナナです。果肉は普通のバナナと同様に黄白色で、甘味はさっぱりしています。日本にはフィリピンやエクアドルから入ってきます。
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島バナナ
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島バナナは、沖縄や奄美大島で栽培されるバナナです。やや小型バナナですが、濃厚な味で適度な甘味と酸味があります。収穫量も少なく、本土ではほとんど流通していません。
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ピサンマスバナナ
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ピサンマスバナナは、長さが7~9cmほどの小さいバナナです。食感や甘味は普通のバナナと同様です。マレーシア原産でフィリピンでも栽培されています。
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