〔ニパウイルス感染症〕のブタにおける主な症状は、過呼吸、中程度~高度の乾湿発咳、気道分泌物の増加、呼吸困難などの呼吸器症状です。
犬の鳴き声のような咳をするので「Barking Ill」とも呼ばれます。また、ときに振戦、痙攣、後躯麻痺などの神経症状も示します。
一方、ニパウイルスがヒトに感染すると、急激な高熱、目眩、頭痛、咽頭痛、嘔吐などのインフルエンザ様の脳炎症状を呈しますが、この病気にだけ特異的な症状ではありません。
多くの場合に昏睡状態に陥って死に至ります。回復した場合でも10~20%程度の患者に運動障害の後遺症が残る予後不良の病気です。
ブタの場合、致死率は低く2~3%程度ですが、ヒトが罹ると致死率は50%以上になります。
バングラデッシュなどでの流行はありますが、日本における過去の直接的な被害報告はありません。
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