〔ヘンドラウイルス感染症〕は、感染症法の四類感染症の疾患で、パラミクソウイルス科ヘニパウイルス属のヘンドラウイルスの感染に引き起こされる新興感染症で、ヒト、ウマに感染する人獣共通感染症のひとつです。 ヘンドラウイルスの自然宿主は、Preropus属のオオコウモリで、ウマへの感染経路は不明ですが、ヒトへはヘンドラウイルスに感染したウマの体液や排泄物との直接接触により感染します。
ヒトからヒトへの感染はありません。 現在のところ、適切な治療法は確立されていません。 〔ヘンドラウイルス感染症〕の潜伏期間は2週間くらいと考えられていますが、はっきりはしません。ヒトが発症すると発熱や筋肉痛などインフルエンザ様の呼吸器症状などの症状を呈します。また、重篤な〔出血性肺炎〕、さらには〔脳炎〕による意識障害、痙攣などが起こる可能性があります。髄膜脳炎回復患者が再発し、急性進行性脳炎で死亡した例もあります。 ウマが発症した場合には、〔出血性肺炎〕、急性の呼吸困難と突発性の神経症状を示し、致死率は高いとされます。 現在まで、オーストラリアにおいて3名の患者発生が報告されていますが、詳しいデータはありません。