〔マラリア〕は四類感染症に指定された疾患で、熱帯から亜熱帯地域に広く分布する単細胞生物であるマラリア原虫による感染症です。 マラリアを媒介するのは、ハマダラカです。 〔マラリア〕にはその症状の発症の仕方などから、次の4種類のタイプがあります。
・三日熱マラリア ・四日熱マラリア ・卵型マラリア ・熱帯熱マラリア
マラリア原虫の名称は、これらのマラリアの種類に対応して、次のように呼ばれます。
・三日熱マラリア原虫 ・四日熱マラリア原虫 ・卵形マラリア原虫 ・熱帯熱マラリア原虫
〔マラリア〕の潜伏期間は、通常1~4週間ですが、稀に数か月~1年以上のこともあります。 マラリア原虫が肝臓に侵入して増殖し、血液中に出てさらに増殖し発病するまでの期間です。 〔マラリア〕が発症すると熱発作という症状が襲ってきます。 発症すると、悪寒、震えを伴いながら体温が上昇し、1~2時間続きます。 その後、悪寒は消えますが、体温は更に上昇を続け、40度C前後の高熱に襲われ、顔面紅潮、呼吸切迫、結膜充血、嘔吐、頭痛、筋肉痛などの症状が現れます。 この状態が4~5時間続いた後、発汗して熱発作は一旦は解熱します。 しかし、〔マラリア〕の種類に対応して、激しい熱発作が一定時間ごとに繰り返し襲ってきます。 マラリアは一旦解熱しても、すぐに治療をしないと重篤な状態に陥ります。 特に、三度目の高熱が出たときには非常に危険な状態となります。重症の場合には意識障害や腎不全などを起こし死に至ることもあります。 治療せずに放置した場合、〔熱帯熱マラリア〕以外の〔マラリア〕は慢性化します。慢性化すると発熱発作の周期は延び、血中の原虫量は減少します。 〔マラリア〕は、熱帯・亜熱帯地域に広く分布する感染症で世界100か国あまりの国々で流行する病気です。 全世界で毎年3~5億人が感染し、150~270万人が死亡しています。 日本では、国内での一次感染はなく、海外よりの帰国者が感染し、年間100~150名の患者がでます。