〔発しんチフス〕の潜伏期間は6~15日で、39~40度C前後に急上昇する発熱を伴いながら突然発症します。
発症すると、発熱、頭痛、悪寒、脱力感、吐き気、嘔吐、手足の疼痛を伴います。
発熱後2~5日すると、体幹に発疹が初発し、顔や手掌、足底に生じることは少ないものの、第5~6病日で全身に拡がります。
発疹は初期には指圧すると消退しますが、数日後になると消退しなくなり暗紫色の点状出血斑となります。
患者は、非常に強い急性症状を呈しますが、発熱からおよそ2週間後には急速に解熱します。
しかし、重症化する場合もあり、そのときには患者の半数に精神神経症状が現れます。
有熱期の第5病日ころからうわ言を発するようになり、第2週目ころからは、興奮発揚し、幻覚や錯覚、狂躁状態に至ることもあるとされます。
〔発しんチフス〕は、適切な治療を受けなければ、10~40%が死亡します。
死亡率は、年齢により異なり、小児や部分的な免疫を有する成人では、発疹がなく軽症で経過することもあります。
発しんチフスは、四類感染症に指定された感染症で、患者を診断した医師は届出が義務付けられています。
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