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〔鼻疽〕


概要病気症状原因診断
治療予後合併症情報書籍
 

この疾患の概要です

 〔鼻疽〕は、四類感染症の疾患であり、グラム陰性、好気性桿菌、鞭毛を欠き運動性を有さない鼻疽菌の感染が原因となる人獣共通感染症です。

 鼻疽菌の生化学的活性は弱く、糖分解能も劣り、発育は穏やかです。

 〔鼻疽〕は主にウマやロバ、ラバなどの奇蹄類の病気ですが、犬、猫、ヒツジ、ヤギなどにも感染します。


 また、感染動物の鼻汁や潰瘍部、膿、粘膜などとの接触によって、鼻疽はヒトにも感染し、強い毒性を示します。

 現在までのところ、日本での鼻疽の発症は報告されていませんが、海外渡航者などが持ち帰り海外から侵入してくる可能性が指摘されています。

 鼻疽は、家畜伝染病予防法における法定伝染病のひとつでもあります。

 〔鼻疽〕は、重篤な経過を取ることが多く、治療も困難な疾患です。家畜、特にウマの感染症としても大変恐れられています。

 〔鼻疽〕の潜伏期間は1~5日とされ、感染経路によって皮膚の局所的病変、肺炎、敗血症、あるいはこれらの複合した症状が出現します。

 発症すると最初は頭痛や発熱、筋肉痛などの非特異的症状がでますが、徐々に全身感染症状を起こします。

 適切な治療をしなければ、死亡率はほぼ100%になるといわれています。

 慢性化する場合も知られています。ラバやロバでは急性型の症状が起こり、発病から3~4週間で死亡します。

 また、ウマでは慢性型となり、潰瘍ができ皮膚の結節、四肢各部のリンパ節の硬化、腫脹などがみられます。

 ヒトに感染し、急性型となると、発熱、膿瘍鼻汁、鼻腔粘膜の結節、肺炎、膿胸、皮下リンパ節管の念珠様結節、膿瘍や潰瘍など特異的な鼻疽結節が現れます。

 また、慢性型になると、微熱を繰り返し、徐々に痩せていくようになります。

 鼻疽は、現在までのところ日本での発生はありません。

 尚、〔鼻疽〕は英語では、〔Glanders〕と呼びます。


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