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〔破傷風〕

 〔破傷風〕は、感染症法の五類感染症に指定された疾患であり、破傷風菌を病原体とする人獣共通感染症のひとつです。

 破傷風菌は、グラム陽性の嫌気性菌で、胞子(芽胞)の形で土壌中に常在し広く分布しています。

 破傷風は、土壌中に棲息する破傷風菌が、傷口から体内に侵入することで感染します。


 破傷風菌は小さな傷口から容易に体内に侵入し感染する特性があります。感染すると、芽胞は創傷部位で発芽し増殖しますが、ヒトからヒトへ感染することはありません。

 破傷風菌に感染すると菌が産生する神経毒素(破傷風毒素)により、いわゆる強直性痙攣をひき起こします。口唇や手足のしびれや口が開けにくいなどの神経症状を引き起こし、治療が遅れると全身痙攣を起こして死に至ります。

 破傷風の潜伏期間は、3~21日です。創傷部位から体内に侵入した芽胞は、感染部位で発芽・増殖して破傷風毒素とかテタノスパスミンと呼ばれる神経毒素と、テタノリジンと呼ばれる溶血毒素とを産生するようになります。


 破傷風毒素は、脳や脊髄の運動抑制ニューロンに作用し、酷くなると全身の筋肉麻痺や強直性痙攣をひき起こす原因となります。

 潜伏期間を過ぎると、局所での痙笑、開口障害、嚥下困難などの症状が出現し、舌がもつれ会話に支障をきたしたりします。徐々に全身性の呼吸困難や後弓反張、歩行障害などの症状となり、重篤な場合には呼吸筋の麻痺で窒息死することも起こります。

 破傷風の主症状は強直性痙攣で、これは神経毒素により起こると考えられていますが、このような症状は、次に示すように「第1期」~「第4期」までに分かれて発症します。


破傷風の症状段階
第1期

 潜伏期後、歯が噛み合わされ口が開きにくくなり、食物摂取が困難となる。首筋が張り、寝汗をかいたり、歯ぎしりなどの症状が出現します。

第2期

 開口障害が更に強くなり、顔面筋の緊張、硬直により前額に強いシワを生じます。口唇は少し開き横に広がり、その間に歯牙が露出し、引きつり笑い(痙笑)を呈するようになります。このような顔貌を「破傷風顔貌」と称されます。

第3期

 頚部筋肉や背筋に緊張による硬直を来たし、発作的な強直性痙攣に襲われます。腱反射の亢進、バビンスキーなどの病的反射、クローヌスなどと呼ばれる症状が出現します。生命の危険が最も大きくなる時期です。

第4期

 筋の強直、腱反射亢進は残っていますが、全身性の痙攣はみられなくなり、多くの症状は次第に軽快してゆきます。


 近年、年間40人ほどの患者が発生し致命率は40%ほどになっていますが、日本では、三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)と二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)の定期接種が実施され、患者数は減少傾向にあります。

 尚、この病気の病原体である破傷風菌は、英語では、「Clostridium tetani」と呼ばれています。