軽擦法 (けいさつほう) (エフルラージュ)
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軽擦法は、アロママッサージの中でもっとも一般的な手法です。この方法では、両手にマッサージオイルをつけて、両手を体にぴったりと密着させながら、肌の表面を優しく撫でさすります。
この方法では、筋肉の緊張を解き、リンパ液や血液の流れを促す作用があります。皮膚にソフトな快感をもたらし、活き活きとして皮膚をつくります。
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揉捏法 (じゅうねつほう) (ペトリサージュ)
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揉捏法は、アロママッサージオイルを使って、筋肉や皮下脂肪を揉み解す方法です。マッサージの手を揉み解したい部分に密着させて、圧力をかけ筋組織を動かし、組織の新陳代謝を盛んにします。腹部に行うと、胃腸のぜん動運動を助け、便通をよくします。
揉捏法には、把握揉捏法、母指揉捏法、手根揉捏法、ろとう揉捏法の4つがあります。把握揉捏法は、全部の指で筋肉を強く握り揉む方法です。母指揉捏法は、患部を親指の原で加圧しながら揉み解します。手根揉捏法は、肩甲骨棘下部など硬い部位をマッサージするときに、手根部または母指球で輪状に揉むます。ろとう揉捏法は、両手掌を重ねて、あたかも「舟の櫓」を漕ぐような動きで、主に腹部を揉み解します。
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強擦法 (きょうさつほう) (フリクション)
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強擦法の手法は軽擦法と同様ですが、力を入れてさすります。力を加えることで、皮膚の深部まで刺激が届きます。スピードや強さに変化をもたせながらさすると効果が高まります。
軽擦法のような軽い刺激が知覚神経を刺激するのに対して、強擦法の強い刺激は、循環系の流れを促し、新陳代謝を高める作用がある。老廃物を流し、内臓機能を高めてくれる。
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叩打法 (こうだほう) (タポートマン)
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叩打法は、両手の力を抜き、小指の下の腹の部分で軽く、素早く、リズミカルにトントンと叩く手法である。叩打法では、関節を滑らかに動かして左右の手で交互にトントンを叩くことが重要で、力が体の深部に達するように叩いてはいけない。
トントンという断続刺激のある叩き方は、筋肉の働きを活性化させ、神経の興奮を高める。毛細血管を刺激するので、血行がよくし、機能を亢進させ、体がじんわりと温まる。
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圧迫法 (あっぱくほう) (プレッション)
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圧迫法は、指や手のひらに自分の体重をかけるようにして、ゆっくりと圧迫する方法である。圧がある頂点に達したら、緩やかに減圧していく。このような圧迫と減圧とを何度も繰り返すのだが、急激な力を加えてはならない。母指圧迫法といって、母指にて徐々に圧を加え抜く方法もある。
圧迫法でのアロママッサージは、精神面での働きかけが強く、神経の高ぶりを和らげる。機能抑制の作用があり、神経痛などの痛みを鎮め、痙攣を押さえてくれる。
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アロママッサージの効果
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アロママッサージの作用や効果は、次に示すように多岐にわたります。
・神経の興奮を鎮め、疲労回復に役立てる。
・エンドルフィンなどの脳内ホルモンの分泌を促し、免疫系を刺激して抵抗力を高める。
・リンパ液や血液の循環を促し、体内の老廃物を取り除いて疲労や不調を和らげる。
・内分泌を高め、消化器官の働きを平常に取り戻す。
・循環系の機能を正しく調整し、高血圧を抑制する。
・頭痛や肩こりなどの不快な症状を緩和したり予防したりする。
・深い眠りを誘い、不眠症の症状を改善する。
・気管支の炎症や粘膜の炎症を鎮め、体調不調を癒してくれる。
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アロママッサージの準備
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アロママッサージを行うには、それなりの準備が必要です。基本的には、マッサージを行う落ち着いた空間を作り、外部から中断されないような状況を作って、これからリラックスするための心の準備をします。最後に一種の準備体操を行って、体と脳が柔軟になり、気分が乗ってきたらゆっくりとマッサージを始めます。
マッサージの場所の準備
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・部屋を、冬は暖かく、夏は涼しい保つ。
・ベッドや硬い椅子の上にバスタオルを敷く。
・自分好みの静かな音楽を流す。
・体の露出部分を冷やさないためのバスタオルを準備する。
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外部との遮断
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・折角はじめたマッサージを途中で中断すると効果が半減してしまうので、電話は留守電にしておく。携帯電話は電源を切っておく。
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心と体の準備
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・入浴またはシャワーを浴びて体を清潔にし温める。
・水気は完全にふき取る。
・手足の爪は清潔に切っておく。
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準備体操
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・体を横たえ、ゆっくり、大きく深呼吸する。(3回)
・猫のポーズ(猫が伸びをする動作)を真似て行う。(3回)
・片足ずつ胸までしっかりと屈伸させる。(3回)
・最後に両膝を抱え込んで屈伸させる。(3回)
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アロママッサージが終わったら
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アロママッサージが終わると、気分がリラックスして、大きな快感と幸せの時間が訪れます。しばらくは余韻を残しながらじっくりとマッサージの効果を満喫するのがよいでしょう。
マッサージが終わっても、精油の有効成分が体内に浸透して作用し終わるまでには、数時間は必要なので、マッサージ後、最低でも30分は、精油を拭き取らないようにします。通常、数時間は拭き取らなくても問題はありません。
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マッサージの注意点
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アロママッサージには絶大な効果・効用がありますが、精油の効果が強力なだけに、体調不調時などには注意が必要です。以下のような症状があるときには、控えるようにした方がよいです。
身体の傷や怪我
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・発疹、おでき、潰瘍、火傷
・骨折、打ち身、ねんざ、じん帯損傷、腫れ
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体調不良
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・熱、感染による病気
・静脈瘤のある箇所
・血栓症、静脈炎など
・関節炎やリウマチ痛の腫れや痛み
・心臓病や癌などの重病
・妊娠中の人(どうしてもしたいときは医師と相談)
・敏感肌の人(必ずパッチテストをして確認のこと)
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