〔【こ】で始まる栄養成分

　ヒトの体の中には消化酵素と代謝酵素という酵素があります。消化酵素には炭水化物やたんぱく質、脂肪を分解・吸収する働きがあり、唾液や膵液、胃液などに含まれています。

　食物酵素は生の野菜や発酵食品に含まれている酵素で、食物を摂取したときの消化を助ける作用があります。

　酵母とは糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する単細胞微生物をいいます。ビール、日本酒、ワイン、味噌、醤油、パン、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品は、酵母の働きにより製造されています。

　誰もが日常的に飲んでいる飲料類にも抗酸化物質が含まれています。代表的な抗酸化飲料には、緑茶やウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココア、野菜ジュース、ワインなど多くの種類があります。

　自然界で紫外線の攻撃を受けるのは動物だけではありません。植物の葉や茎や花は紫外線を浴び続け、光合成で作り出す酸素の毒にも晒されているのです。

　植物には活性酸素を無毒化する強力な物質が含まれています。植物の赤色や黄色、オレンジ色などのポリフェノール色素であるβ－カロテンやリコペンを含むカロテノイドも重要な抗酸化物質です。

　ヒトの体内では、血漿などの水分の多い部位と、脂肪組織や脳などの脂質の多い部位があり、どちらも活性酸素を発生しています。

　ビタミンCは、水分の多い部位で活性酸素と戦い、ビタミンEは脂肪質の部位で活性酸素と戦っています。ビタミンCにはスーパーオキシダント・過酸化酸素・一重項酸素を分解する力があります。

　活性酸素は体内のたんぱく質や脂質、DNAなどを酸化させ、老化促進等に多大に影響を与えています。

　抗酸化物質とは、酸化を防止・抑制する栄養成分で、活性酸素の除去や活性酸素の作用を弱める働きをする物質で、体内の酵素や植物にも含まれています。ビタミン、ミネラル、カロテノイド、ポリフェノールなどがそれです。

　コラーゲンは、繊維性のたんぱく質で、真皮・靱帯・腱・骨・軟骨に多く含まれ、人体全体のたんぱく質の30％ほどを占めています。

　コラーゲンは、細胞や体内組織を結合する働きをもち、身体の形成や機能を正常に保つために不可欠の成分で、医薬品や化粧品などの原料としても利用されます。