〔ヤムイモ〕

　ヤムイモの種類は非常に多く600種以上があるとされていますが、世界中の多くの地域を原産地とするヤムイモが存在していて、特定の地域だけの原産ではありません。日本原産とされるヤムイモはヤマノイモと称され、その中にも長芋、自然薯（じねんじょ）、大暑（だいしょ）、捏芋（つくねいも）などさまざまなヤムイモがあります。

　ヤムイモは地下の部分が食用となるため、気候の変化に影響されにくく、乾燥にも強いのが特徴で、単位面積あたりの収穫量は小麦や稲などの穀類よりも高いです。

　日本でのヤムイモは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属する芋のことで、長芋や自然薯、つくね芋などがあります。

　2008年に行われた北京オリンピックで100ｍ、200ｍ、400ｍリレーの3種目を全て世界新記録で制覇したジャマイカのウサイン・ボルト選手の速さの秘密はヤムイモにあるといわれています。彼の父親がそう証言したことから、ヤムイモの効果が一躍有名になりました。

　ヤムイモの主な栄養成分は炭水化物と食物繊維ですが、カルシウムや鉄分、ポリフェノールなども含まれます。

　ヤムイモは俗説で滋養強壮剤としても知られている芋ですが、今まではその医学的な証明がなされていませんでした。この件について、2008年9月に、タカラバイオより注目の研究結果が発表されました。

　マウスでの実験として、ヤムイモの一種であるトゲドコロ（上部写真）に脂肪代謝を活性化させ、運動機能を高める作用がることを遺伝子的に証明したのです。

　ヤムイモに含まれるジオスゲニンという成分は、体内で女性ホルモンであるプロゲステロンに変換されるとされ、女性のホルモンバランスを整え、更年期障害の症状を和らげるとされています。カルシウムの吸収促進作用もあり、骨粗鬆症の予防効果も期待されています。

　ヤムイモ特有のヌルヌル成分である水溶性食物繊維ムチンは、糖の吸収抑制作用があり糖尿病予防に役立ちます。また、胃壁を保護する作用で胃炎や胃もたれなどの予防、改善の効果が期待されます。

　ヤムイモに特別な副作用があるとの報告はありません。

　ヤムイモは日本ではトロロにして食べたり、揚げ物、味噌汁の具などとして食されます。

　フィリピンでは、茹でたり焼いたりスプレッド状にして食べたり、粉末にしてケーキやタルト、シャーベットなどに用いるそうです。

　ヤムイモを含有する健康食品・サプリメントは、ケンコウコムなどから販売されています。これらのご利用に関しては、販売会社のご説明だけでなく、上記の内容もよく理解して下さるとよいと思われます。

ヤムイモサプリメント例

ケンコウコム

タカラバイオ クーガイモ 360粒