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〔リッサウイルス感染症〕

 〔リッサウイルス感染症〕は、感染症法の四類感染症の疾患であり、ラブドウイルス科リッサウイルス属のウイルスにより引き起こされる感染症です。

 リッサウイルスには、狂犬病ウイルスが含まれますが、「リッサウイルス感染症」という場合には、狂犬病ウイルスを除くリッサウイルス属による感染症を意味しています。


 リッサウイルスは、食虫コウモリや食果実コウモリなど野生のコウモリの唾液中などに含まれていて、リッサウイルスに感染しているコウモリに咬まれたり、引っ掻かれたりすることで感染します。洞窟内に棲息するコウモリの排泄物から空気感染する可能性も指摘されています。

 リッサウイルス感染症の症状は、狂犬病の症状と類似しています。


 リッサウイルス感染症の潜伏期間は、同系統のリッサウイルスである狂犬病ウイルスに準じた期間の20~90日間と考えられますが、コウモリに咬まれた部位や数によって、潜伏期間は異なってくるものと思われます。

 狂犬病の場合には、咬まれた部位が脳に近いほど潜伏期間は短く、脳から遠ければ長くなります。狂犬病ウイルスが咬まれた部位から毎日数ミリ~数十ミリづつ広がり、やがて脳神経組織にまで到達すると発病するからです。

 事実、リッサウイルス感染症は、臨床症状だけから、狂犬病と区別するのは困難とされています。


 症状は、発熱、頭痛、全身倦怠感、創傷を受けた四肢部位の疼痛や掻痒感、咽頭痛、知覚過敏などの初期症状に続いて、興奮性の亢進、嚥下困難症状、発声困難、筋痙縮が現れて、恐水症状や精神撹乱などの中枢神経症状が見られるようになります。呼吸器系に症状が出る場合には、おびただしいよだれを流すようになります。

 一般的に、病態は急性かつ進行性であり、痙攣や攻撃的な神経症状はますます強く持続的になり、四肢の弛緩、脱力、反射減弱が増強し、ついには昏睡状態となり、呼吸停止して死に至ります。一般的に、発症後2週間~1か月以内に死亡します。

 リッサウイルス感染症は、主にヨーロッパ、オーストラリア、アフリカに分布していて、現在までに日本での感染の報告はありません。