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健康食品

〔カプサイシン〕

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ペピーノ カプサイシン

唐辛子の写真 
(出典:フリー百科事典「ウィキペディア」) 
 カプサイシンはアルカロイドの中のカプシノイドと呼ばれる化合物のひとつで、脂溶性の無色結晶であり、唐辛子の辛味成分の主要成分です。

 カプサイシンの辛味はワサビ、カラシの辛みとは成分も違うので風味も異なります。

 カプサイシンが辛味受容体の神経末端を敏感に刺激することから、カプサイシンは辛味の指標である「スコヴィル辛味単位」の基準物質として使用されています。

 カプサイシンを摂取すると、激しい発熱感を生じさせる他、痛覚神経も刺激します。体内に吸収されたカプサイシンは脳に運ばれ、内臓感覚神経に作用して、副腎からのアドレナリン分泌を促進させることで、強烈な発汗、強心作用をもたらします。

 あたかも激しい運動をしたときと同じように、身体に貯蔵された脂肪を燃やして熱として消費します。このように、身体の新陳代謝を活発に、エネルギー消費を促進することで肥満予防の効果があります。唐辛子を食べると盛んに汗がでるのはこのためです。


 カプサインには強い催涙作用もあり、皮膚や粘膜に触れるとヒリヒリした痛みを感じます。目に入れば涙が止まらなくなり、吸い込むと激しく咳がでます。


原産地・歴史 ◆〔カプサイシン〕の原産地や由来・歴史は、どんなですか?
唐辛子の原産地

 カプサイシンは唐辛子の辛味成分です。唐辛子の原産地は南米(メキシコ)ですが、コロンブスがアメリカを発見後、1493年にスペインへ最初に持ち帰りました。16世紀には、オスマン帝国を経由してバルカン半島周辺やハンガリーに伝播しました。更に、16世紀にはインドに伝わり、17世紀ころ中国に伝わったと考えられています。

 世界に伝播するとともに、独特な香辛料として各地で用いられるようになりました。

 日本への伝来は、複数の経路から行われたと考えられています。そのひとつは、1542年にポルトガル人宣教師が大友義鎮に献上したとの説です。このためか、唐辛子は別名として「南蛮胡椒」とも呼ばれました。

 別の伝来説として、朝鮮から伝来したとする説もあります。秀吉の朝鮮出兵時に朝鮮から連れ帰った陶工たちは唐人と呼ばれていましたが、彼らが栽培していたことから「唐辛子」や「高麗胡椒」とも呼ばれるようになったとするものです。

 日本に伝来した当初は、食用としてではなく観賞用や毒薬の一種として用いられました。唐辛子の呼び名には「南蛮辛子」やそれを略した「辛子」などもあります。九州などでは「胡椒」「柚子胡椒」ともいいます。

唐辛子の種類

 唐辛子は、唐芥子、蕃椒などと呼ばれることもあり、ナス科トウガラシ属の多年草植物で、香辛料や野菜として食用に供されます。

 唐辛子は、栽培種の果実から得られる辛味のある香辛料ですが、大別して辛味種と甘味種とがあります。  甘味種の唐辛子は、甘唐辛子とも呼ばれ、ピーマン、シシトウ、パプリカなどです。これらには、辛味はないか、ほとんどありません。


主な栄養成分 ◆〔カプサイシン〕の主な栄養成分は何ですか?
唐辛子の成分

 唐辛子の主な成分は、種の付近に含まれる「カプサイシン」です。その他に、果皮には少量の「アデニン」「ベタイン」「コリン」「ビタミンA(カロチン)」「ビタミンB」および「ビタミンC」などが含まれています。

カプサイシン

 カプサイシンは、カロチノイド系色素で唐辛子の種の付近に含まれる辛味成分です。カプサインの辛味成分は14種類ほどあります。

 唐辛子に含まれる主なカプサインには、「カプサイシン」「シヒドロカプサイシン」「ノルジヒドロカプサイシン」「ホモカプサイシン」および「ホモジヒドロカプサイシン」の5種類があり、中でも「カプサイシン」と「ジヒドロカプサイシン」とで辛味成分の80~90%を占めています。


主な効果・効用 ◆〔カプサイシン〕の主な効果・効用は何ですか?
辛味刺激
  舌の味覚  唐辛子のカプサイシン(capsaicin)は、実は無味無臭なのですが、カプサイシンを口に入れると、激しい辛味を感じます。

 舌が持つ味覚には、「甘い」「塩辛い」「すっぱい」「苦い」「辛い」および「渋い」などがあります。このような味覚の中で、舌が識別できるのは「甘い」「塩辛い」「すっぱい」および「苦い」の4つだけです。

 では、辛味はどこで感じ、識別できるのでしょうか。実は、辛味は、味覚ではなく、舌の痛覚で感じているのです。カプサイシンが口の中の粘膜・痛覚神経を直接刺激し、脳がそれを辛味として理解します。

カプサイシンの効能

 カプサイシンの効能には非常に多くのものがあります。主な作用は殺菌作用や食欲増進作用、免疫向上作用などです。

 体内に入ったカプサイシンの大部分は、胃腸で吸収され、血流に乗って全身に運ばれます。脳に辿りついたカプサイシンは、中枢神経を刺激し、アドレナリンをはじめとするホルモンの分泌を促進します。

 カプサイシンには、多くの医薬的効能があるとされています。

 唐辛子には、カルチノイドを初め、ビタミンC、有機酸、脂肪油なども含むので、食品としての価値も高いです。料理に唐辛子を用いると、カプサイシンの辛味で料理が美味しくなるので、塩分の使用量を減らせる効果があるともいわれます。

カプサイシンの効能
殺菌効果  カプサイシンには、殺菌作用や防腐作用があります。様々な料理に調味料として使用することで健康維持に役立ちます。

食欲増進作用  カプサイシンには、舌や胃を刺激し、唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させる作用があります。夏ばてなどで、食欲不振の時などに食欲増進してくれます。

免疫向上作用  カプサイシンには、免疫力を高めてくれる作用があります。カプサイシンを摂取すると毛細血管の収縮作用の働きが強くなり、血流をよくしたり、白血球の活性化をすることで免疫が向上すると考えられています。

ダイエット効果  カプサインを摂取すると、体内でのエネルギー代謝が促進され、脂肪分の分解排出を加速します。このため、肥満防止やダイエットに効果がでてきます。

疲労回復効果  カプサイシンには、疲労回復効果も期待出来ます。

保温作用  カプサイシンには、保温作用もあります。寒い冬などに身体を心から温めてくれます。夏場での冷房病による身体の冷えにも効果あります。

医薬的効果  カプサイシンの薬用効果は古くから認められていて、皮膚引赤薬や健胃駆風剤として用いられてきました。

 皮膚引赤薬は、漢方で肺炎、リウマチ、神経痛、筋肉痛などの対症療法として使われます。

 健胃駆風剤としては、特にアトニー性消化不良の治療薬として使われます。

 カプサイシンの刺激作用は痒みを緩和する作用があるので、アトピー性皮膚炎などの治療薬として、日本薬局方で効能が認められています。

 更に、筋肉の鎮痛などのために皮膚の温度を上昇させ血行を促進する市販の温湿布薬がありますが、これにはカプサインの皮膚温度上昇作用を利用しています。


 最近の研究で、カプサイシンとイソフラボンを同時に摂取すると育毛作用があるといわれています。辛味を摂取すると血管が拡張して頭皮の血行が促進され、神経を刺激します。これにより毛髪を作る細胞が活性化するためとされています。


用法・用量 ◆〔カプサイシン〕の用法・用量はどうなりますか?
カプサイシンの用法・用量

 カプサイシンは、日常生活面で、七色唐辛子や鷹の爪などを薬味や香辛料として摂取することが多いですが、1日あたりの目安量というものはありません。

 韓国の人たちは非常に多くのカプサイシンを摂取しますが、日本人ではそれほどではありません。文化により料理の種類が異なり、香辛料の使用方法なども異なりますから、自分に合った量を香辛料として、あるいは薬味として使用することとなります。

 カプサイシンを栄養補助食品として摂取するときには、製品に表示された内容をよく確かめる必要があります。


副作用・留意点 ◆〔カプサイシン〕の副作用や留意点はありますか?
唐辛子の副作用

 唐辛子に特別な副作用というものはありませんが、一度に極端に大量に摂取すれば、胃壁に激しい刺激を与え、胃を荒らしてしまうので注意は必要です。この他にも、過剰摂取すると味覚が鈍くなり、味覚障害を引き起こす可能性もあります。


料理のコツ ◆〔カプサイシン〕の料理のコツを教えてください。
唐辛子を用いた料理

 唐辛子は、昔から和製スパイスとして使用されてきました。上手に料理に用いると食欲増進や健康増進に役立ちます。

 唐辛子を利用した食品や料理には次のようなものがあります。

唐辛子を用いた料理
七味唐辛子  主原料の唐辛子を含めて、七種類の原料から作られる香辛料です。混ぜ込む原料により唐辛子の風味を活かし、辛味をほどよく抑えます。「七種唐辛子」とか「七色唐辛子」とも呼ばれています。

 七味唐辛子の原料にはいろいろあり、製造メーカーによっても異なりますが、次のようなものが原料になります。

 ・芥子(けし、ケシの実)
 ・陳皮(ちんぴ、ミカンの皮)
 ・胡麻(ごま)
 ・山椒(さんしょう)
 ・麻の実(おのみ、あさのみ)
 ・紫蘇(しそ)
 ・海苔(のり)
 ・青海苔(あおのり)
 ・生姜(しょうが)
 ・菜種(なたね)

一味唐辛子  一味唐辛子は、乾燥させたトウガラシの実を擦りつぶして粉末にした唐辛子だけからできた調味料です。料理の辛味付けに用いられる。漬物などにそのまま振りかけて食すこともあります。

かんずり  唐辛子を雪上に晒し、アク抜きしたものを磨りつぶし、麹と塩、ゆずなどを加えて熟成させて作ります。鍋料理のポン酢醤油に加えたり、焼肉、冷奴、ラーメンの薬味など、幅広い料理に用います。新潟県妙高市で作られる調味料です。

柚子胡椒  柚子胡椒は、唐辛子と柚子の果皮のペーストに塩をブレンドして熟成させた調味料です。大分県特産とされ、九州北部では一般的な調味料です。

コーレーグース  コーレーグースとは、沖縄県の代表的な辛味調味料で、コーレーグスとも呼ばれます。

キムチ  キムチは韓国や北朝鮮の漬物で、白菜などの野菜を薬念(ヤンニョム)と呼ばれる薬味で漬けたものです。

コチュジャン  コチュジャン(苦椒醤)は、韓国や北朝鮮の調味料です。もち米麹、唐辛子の粉などを主原料とした発酵食品で、日本では唐辛子味噌とも呼ばれる味噌の一種です。

豆板醤  豆板醤(トウバンジャン)は、そら豆を主原料に作る中国の発酵調味料で、ダイズ、米、大豆油、ごま油、塩、香辛料などの原料を加えて作ります。日本では特に唐辛子を加えて作ったものを豆板醤と呼びます。

辣椒醤  辣椒醤(ラージャオジャン)

ラー油  これなくして餃子は食べられませんね。

チリパウダー

チリソース

ホットソース

ハリッサ  ハリッサは、北アフリカ・マグリブ地方の調味料です。

サルサ

ペッパーソース  商品名としてタバスコなどがあります。

唐辛子飲料  唐辛子を漬けた飲料としてチリビールなどの唐辛子ビール、薬用酒としても利用されるペルツォフカなどの唐辛子ウォッカ、とうがらし梅茶などがあります。