ライ麦の原産地・歴史
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ライ麦は小麦に近い麦類で別名「クロムギ(黒麦)」とも呼ばれます。ライ麦の原産地は小アジアと考えられています。
ライ麦くはもともと小麦畑の雑草であったものが、小麦に擬態することで人間による除草を免れ、生き残った不思議な植物です。環境の厳しい劣悪な土地で、小麦が絶滅してしまった後にも生き残り、やがて穀物として利用されるようになりました。
ライ麦が作物として栽培されるようになったのは、紀元前3000~2000年頃とされています。
日本への伝来は明治初期のことでヨーロッパから導入されました。しかし、日本国内ではほとんど栽培されることはなく、欧米から輸入しています。国内でごく少量栽培されているものは、家畜の飼料や肥料用に限定されています。
ライ麦の種類には「淡黄」「淡緑」「淡褐」「黒」および「赤褐色」などがあり、主にウオツカやウイスキーの原料として利用されています。日本では、ペクトーザという青色の品種が北海道や青森の推奨品種として栽培されています。
ライ麦は製粉して食用とされますが、粉の種類には「ライ麦粉」「全粒粉」および「粗挽き粉」があり、「ライ麦パン(黒パン)」や「全粒粉パン」の原料として用いられます。黒味を帯びた粉は、パン製造時の乳酸発酵の過程で独特の酸味と風味を作り出します。
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