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〔小麦〕

穀物類とは 小麦 大麦
蕎麦(そば) ライ麦 燕麦 トウモロコシ
粟(あわ) 黍(きび) 古代米  
大麦若葉エキス 雑穀米 五穀米 十二穀米
十六穀米 玄米 発芽玄米 胚芽米
米糠(こめぬか) 小麦胚芽

小麦の写真 
(出典:Wikipedia, Die freie Enzyklopadie) 
 小麦(wheat)は、だれでもご存知の通り、イネ科コムギ属に属する一年草の植物です。

 米、トウモロコシと並んで世界三大穀物のひとつで、古来より栽培され、穀物としては世界最大の生産量を誇り、年間6億トンもの生産量があります。

 米やトウモロコシと同様に基礎食料であるため、各国で生産される小麦は自国内で優先的に消費され、余剰分が輸出されます。

 日本では大部分がアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入に頼っていて小麦全体での自給率は14%程度にすぎません。

 日本で消費される小麦全体のうちで、うどんや蕎麦などの日本麺用に使われる分の自給率は60%ほどありますが、パン用の自給率は1%未満しかありません。



 小麦は収穫されると、種子を粉にしていわゆる小麦粉(うどん粉)となります。

 小麦粉の用途は、うどん、中華麺類、パン、菓子、ピザ、パスタなどの直接的に食べる食品の原料となります。
 小麦の麦芽からはビールが作られます。また、小麦はウイスキーや工業用アルコールなどの原料ともなります。品質が劣るものや製粉の際に出るふすまは家畜の飼料として使われます。

 小麦には非常に多くの種類があり、粒の硬さなどにより作られる小麦粉の種類や用途が異なります。

原産地・歴史 ◆〔小麦〕の原産地や歴史をご説明します。。
小麦の原産地・歴史

 小麦の原産地は、中央アジアのコーカサス地方から西アジアのイラン周辺とされています。

 小麦には大きく分けて「一粒系小麦」「二粒系小麦」および「普通小麦」とがあるのですが、一粒系小麦の栽培は紀元前1万5千年ころに始まり、その後、クサビコムギと呼ばれる小麦と交雑して2粒小麦が誕生しました。

 紀元前5千5百年ころになり、二粒系小麦は、野生種のタルホコムギと交雑し、普通小麦が生れました。この普通小麦の栽培は、メソポタミア地方(現在のイラク)で始まり、紀元前3000年ころにはヨーロッパやアフリカに広まりました。

 小麦は、人類の主食として非常に重要な穀物のひとつであり、聖書の中にも頻繁に登場します。

 現在、世界最大の生産量を誇る中国に小麦が伝わったのは、紀元前1世紀前漢時代ころとされ、日本への伝来も弥生時代と考えられています。

 小麦は米やトウモロコシに並んで、世界の三大穀物のひとつです。米やトウモロコシ、小麦の生産量は拮抗していて、現在では、それぞれが年間に6億トン前後生産されています。

小麦の生産量

 現在の世界での小麦生産量は年に6億トンほどありますが、世界最大の生産国は中国、インド、アメリカなどとなっています。ちょっと古いですが、2006年の国際連合食糧農業機関の統計資料(FAOSTAT)を示します。2006年の全世界の小麦生産量は6億0595万トンであり、トウモロコシの6億9523万トン、米の6億3461万トン、に次いで多い量でした。

小麦の生産国
国名 年生産量 比率
中国 1億337万トン 17.2%
インド 6935万トン 11.4%
アメリカ 5730万トン 9.5%
ロシア 4501万トン 7.4%
フランス 3537万トン 5.8%
カナダ 2728万トン 4.5%
ドイツ 2243万トン 3.7%
パキスタン 2128万トン 3.5%
トルコ 2001万トン 3.3%
イギリス 1474万トン 2.4%
イラン 1450万トン 2.4%
アルゼンチン 1400万トン 2.3%
ウクライナ 1400万トン 2.3%
カザフスタン 1350万トン 2.2%
オーストラリア 982万トン 1.6%
日本 86万トン 2005年の生産量

日本での小麦の品種

 日本における小麦の生産品種は160品種以上もあるとされ、その内で農林番号のある登録品種は57種類あります。現在でも各地の農業試験場などで優れた品種が開発されています。

日本で栽培される小麦の品種
品種名 誕生年 開発者 特徴など
小麦農林10号 1935年 岩手県農業試験場  耐寒耐雪性が強い品種で、世界的な小麦の生産性向上に貢献しました。

ホクシン 1995年 北海道北見農業試験場  日本で最も広く栽培されている小麦品種で、北海道において秋まき小麦として栽培されています。

農林61号 1944年 佐賀県農業試験センター  短稈で穂数多く、倒れにくく多収の小麦で病気にもつよく、水田の裏作栽培として最も多く栽培されている品種です。

チクゴイズミ 1996年 農業・食品産業技術総合研究機構  西日本を中心に多く栽培されていて、柔らかくモチモチとした食感が特徴の小麦です。

春よ恋 2001年 ホクレン農業共同組合連合会  うどんこ病に強く、北海道で春まき小麦として栽培される小麦です。

さぬきの夢2000 -年 香川県農業試験場  讃岐うどん用として開発された小麦で、製麺用の品種です。讃岐うどんのなめらかさ、粘り、腰に最適ですが、うどんこ病には弱い小麦です。

シラネコムギ 1970年 長野県  耐寒性に優れ東北地方で秋蒔き型の早生品種として栽培されている小麦です。

きたもえ 2001年 北海道北見農業試験場  北海道地方で秋まき小麦として栽培されています。

タクネコムギ 1974年 北海道北見農業試験場  北海道地方で栽培される穂粒数が少ない小麦で、成熟すると穂が赤くなるので赤麦とも呼ばれます。

もち姫 1995年 (独)農業・食品産業技術総合研究機構  史上初のもち小麦として2007年に実用化されました。

ミナミノカオリ 1992年 (独)農業・食品産業技術総合研究機構  蛋白質に富み、パンや醤油に向く小麦で2006年に登録されました。

ASW(オーストラリアスタンダードホワイト) -年 ウエスタン・オーストラリア州  オーストラリアの製麺用小麦で、日本での輸入小麦の大半を占めています。

デュラム -年  たんぱく質(グルテン)に富み、パスタように用いられる小麦です。

プライムハード (PH) -年  強力粉、パン等の原料となる小麦です。

ウエスタンホワイト (WW) -年  薄力粉、菓子・ケーキ用となる小麦で、通称ダブダブと呼ばれます。


小麦粉の種類

 小麦粉は、一般には「うどん粉」とか「メリケン粉」と呼ばれることが多いです。メリケン粉は主に関西で使われる言い方ですが、これはアメリカから輸入され始めた頃に「American」という言葉が「(ア)メリケン」と聞こえたことに由来します。

 小麦粉は、含有するたんぱく質の割合、形成されるグルテンの性質などにより「薄力粉」「中力粉」および「強力粉」と分類されます。また、たんぱく質を除いた残渣を精製したものは「浮き粉」と呼ばれ、でん粉だけの粉で、片栗粉のようになります。

小麦粉の種類
薄力粉  たんぱく質の割合が8.5%以下の小麦粉が薄力粉です。

 薄力粉は、主にアメリカ産の軟質小麦を使用して作られ、ケーキなどの菓子類や天ぷら用として使われます。特に、薄力粉で天ぷらを揚げるとカラリとした食感に仕上がります。

 たんぱく質を極力抑えた小麦粉は、「超薄力粉」と呼ばれ、繊細な仕上がりとなるので、主に製菓用として使われます。

中力粉  たんぱく質の割合が9%前後のものが中力粉です。主にうどんやお好み焼き、たこ焼きなどに使われます。

 中力粉は、主にオーストラリア産、国内産の中間質小麦から作られます。

強力粉  たんぱく質の割合が12%以上の小麦粉が強力粉です。パンや中華麺類、学校給食用のソフト麺などに使われます。

 強力粉は、主にアメリカ産、カナダ産の硬質小麦粉を用いて作られます。焼き上げると硬い仕上がりとなるので、洋菓子には向きません。

浮き粉  浮き粉は、小麦粉の生地からグルテンを分離した残渣でん粉分です。主に明石焼きや和菓子、香港の透明な皮の海老餃子などの原料として用いられます。

 小麦粉から浮き粉を分離するには、こねた生地を水につけて「沈粉(じんこ)」をつくり、洗い流して作ります。

全粒粉  全粒粉は、小麦の表皮、胚芽、胚乳のすべてを粉にしたややザラザラした食感の粉をいいます。精製された小麦粉に比して、食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富に含まれます。

 主にパンやビスケット、シリアル食品の材料として用いられます。

グラハム粉  グラハム粉は、全粒粉の仲間ですが、作り方が異なります。先ず、小麦を「胚乳」と「表皮・胚芽」に分けます。胚乳は通常の小麦粉と同様な細かさに挽き、表皮・胚芽は、荒挽きして、最後に両者を混ぜます。全粒粉よりもっとザラザラな粉となります。

セモリナ粉  セモリナ粉は、小麦粉の仲間です。小麦の種類のひとつである「デュラム種」のみを挽いて作ります。超硬質の黄色い小麦粉となります。

 パスタの原料に用いられます。



主な栄養成分 ◆〔小麦〕の主な栄養成分についてご説明します。
小麦の主な栄養成分

 小麦粉の7~8割はでん粉ですが、約1割のたんぱく質も含まれています。たんぱく質の主成分は「グリアジン(ネバネバ性)」と「グルテニン(弾力性)」と呼ばれる成分で、これらに水分を加えると、ネバネバして弾力性のある「グルテン」に変化します。

 この性質により、小麦粉はうどんやパン、ピザなどの原料として使うことができます。グルテンの量は強力粉では40%、薄力粉で20%ほど含まれています。このグルテンだけを取り出して作る食品に「麩(ふ)」があります。

 小麦粉に塩を加えると、グルテンの働きを強めて腰の強い生地ができます。逆に、食酢や食用油、アルコールを加えると、グルテンを柔らかくし、生地が延ばしやすくなります。

小麦粉の栄養成分
でん粉  小麦粉のでん粉質は、65~78%あります。
たんぱく質  小麦粉のたんぱく質は6~17%あります。
脂質  小麦粉の脂質は1~2%です。
水分  小麦粉の水分は、14~15%くらいです。
灰分  小麦粉には1%以下の灰分が含まれています。


主な効能・効用 ◆〔小麦〕の主な効用・効能についてご説明します。
小麦の主な効用・効能

 小麦粉の主な栄養成分は、でん粉質とたんぱく質なので、小麦粉を使った食品を食べるとでん粉やたんぱく質を摂取することができます。

小麦粉の効用
でん粉質  でん粉質は、糖質とも呼ばれ、体内に摂取されると、最小単位の単糖まで分解され、小腸から吸収されます。

 吸収された単糖は、門脈を通過後、肝臓でブドウ糖に変換され、血流に乗って身体各部に運ばれて、エネルギー源となったり、身体の構成要素となります。

たんぱく質  たんぱく質は、体内で筋肉や臓器などの構成部分、酵素やホルモンなどの材料となります。

 ただし、小麦粉には少量の必須アミノ酸も含まれますが、たんぱく質とのバランスが悪いので、小麦だけでタンパク源とすることはできません。



風作用・注意点 ◆〔小麦〕の副作用や注意点についてご説明します。
小麦の副作用や注意点

 人により小麦粉のアレルギー症状がでることがあります。その意味では小麦粉はアレルギーの原因物質「アレルゲン」となることがあります。

 小麦粉アレルギーのある人にとっては、微量の小麦粉が混じっている食品を食べてもアレルギー症状が出る可能性があります。

 他のアレルギーと同様ですが、どうしてもアレルギー症状が出る場合には、代替栄養源食材もあるので専門医などとご相談されるとよいです。


料理のコツ ◆〔小麦〕の料理のコツをご説明します。
小麦の料理のコツ

 小麦粉はグルテンの含有量などによって粘り気の多い順に強力粉、中力粉、薄力粉に分けられ、その使い方も用途によって異なりますが、普通の料理用として使うには薄力粉があれば十分です。

 小麦粉の保管は、密閉容器に入れて、湿気のない冷暗所が適しています。冷蔵庫で保存すると、取り出したときに湿り易いのであまりよくありません。

小麦粉の使い道
強力粉  パン類・中華面・パスタ・中華麺・麩などに向いています。

中力粉 うどんなどの日本の麺類やお焼きなどに向いています。

薄力粉  和菓子・ケーキ・クッキーなどのお菓子類、お好み焼き、パンケーキ、ホワイトソースやブラウンソースのルー、揚げ物やソテーの材料にまぶして使います。天ぷらの衣に最適ですが、天ぷらをするときは、薄力粉に水を加え、ほんの軽くかき混ぜるのがコツです。よく掻き混ぜてしまうと、カラリとした天ぷらが揚がりません。