亜鉛 |
亜鉛は、細胞全体に広く分布して存在し、DNAや蛋白質の合成を促進します。体内には約2g含まれています。血漿中の亜鉛は、ほとんどアルブミンなどの蛋白質と結合していて免疫機能に関係するほか、糖代謝に必須のミネラルです。
亜鉛の必要量は鉄と同程度ですが、尿や汗で排出される量が鉄の10倍も多いので、不足しないような摂取が必要です。亜鉛は植物性蛋白質と同時に摂ると吸収が促進されます。
亜鉛が欠乏すると、子供の成長障害や鉄欠乏性貧血が、大人では皮膚炎や脱毛症、味覚障害などが起こります。通常の食事では過剰摂取は起こりません。
亜鉛を多く含む食品は、カキ・レバー・ウナギ・カシューナッツ・たらこ・ホタテ・アーモンド・高野豆腐・さんま・ささみ肉などです。
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クロム |
クロム、特に3価クロムは、糖質や脂質の代謝を促進する働きがあり、インスリンの作用をよくしたり、血中のコレステロールを減らす作用をします。このため、クロムには、糖尿病を予防したり、動脈硬化や高血圧を防止する働きがあります。
クロムを多く含む食品は、野菜・穀類・海産物・肉・魚などです。
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コバルト |
コバルトは体内に約1.5mg含まれる微量ミネラルです。コバルトは、ビタミンB12を作る材料として存在します。コバルトは悪性貧血の予防や神経の働きを正常に保ち、体のリズムを調整する働きがあります。
コバルトを多く含む食品は、レバー・肉類・魚介類・乳製品・納豆・もやしなどです。
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セレン |
セレンは強い抗酸化力を持ち、がんの予防効果を持ちます。特に、ビタミンEと同時に摂取するとこの作用はより強くなります。また、体内で体に有毒な水銀やカドミウムなどと結合し排出されるので、有毒物質から体を守ります。
セレンの欠乏は通常の食事では起こりません。逆にセレンは摂りすぎると中毒症状が起こります。
セレンを多く含む食品は、わかさぎ・いわし・かれい・ホタテ・牛乳・リンゴ酢・ネギ・ビール・カキ・たら・牛肉・玄米などです。
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鉄 |
鉄の大部分は、血液との関係が深く、赤血球のヘモグロビンの主成分であり、筋肉のミオグロビン、肝臓のフィリチンにも含まれます。また、細胞内で酸化に働くチトロームなどの酵素の成分にもなっています。体内の鉄の量は体全体で3~4g程度の微量です。
動物性食品から鉄を摂ろうとすると、体内への吸収率は15~20%あります。しかし、海藻類や野菜などの植物性食品から摂取しようとすると吸収率は2~3%しかありませんが、ビタミンCや蛋白質と同時に摂ると吸収がよくなります。
鉄が欠乏すると、鉄欠乏性貧血になることがあります。
鉄を多く含む食品は、レバー・肉・卵・ひじき・あさり・マグロの赤身・プルーン・レーズン・葉菜類・ゴマ・焼きのりなどです。
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銅 |
銅は、いろいろな臓器に分布して存在し酵素の成分にもなっています。体内に約75~150mg含まれています。銅は、腸管からの鉄の吸収を助け、骨髄でのヘモグロビン生成時に鉄の利用効率を上げる効果があります。
鉄が欠乏すると、貧血や骨折、骨の変形などが起こります。通常の食事で過剰摂取は起こりませんが、銅製の食器などに酸性食品を保存すると中毒症状が起こることがあります。
銅を多く含む食品は、レバー・ココア・チョコレート・カキ・蟹・エビ・ゴマ・大豆などです。
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マンガン |
マンガンはカルシウムやリン同様、骨の石灰化に必要なミネラルで、体内に約200mg含まれます。マンガンは全般的な細胞の活力を高める機能をもっています。
マンガンが欠乏すると、骨などの発育不全や傷の治りが遅くなったりします。また、インスリンや甲状腺ホルモンの合成不良、エネルギー不足により活力が落ちますが、通常の食事を摂っていれば欠乏の心配はありません。
マンガンを多く含む食品は、玄米・大豆・アーモンド・抹茶・カキ・カシューナッツ・干ひじき・納豆・小豆・さつまいもなどです。
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モリブデン |
モリブデンは、肝臓や腎臓の中で酵素を助ける作用をします。また、糖質や脂質の代謝を助けたり、鉄の利用を高めて貧血の予防作用もします。
モリブデンが欠乏すると、貧血や疲労の症状がでます。摂取量が多すぎると毒性があります。
モリブデンを多く含む食品は、牛乳・乳製品・納豆・豆類・穀物・レバーなどです。
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ヨウ素 |
ヨウ素は、体内に約20~30mgくらい存在し、甲状腺ホルモンの原料となります。甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激して蛋白質や脂質、糖質の代謝を促進するホルモンです。
ヨウ素が欠乏すると、甲状腺腫や甲状腺機能低下症が起こり、体がだるいなどの症状がでたり、子供の発育が悪くなりますが、通常の食事を摂っていれば不足する心配はありません。
ヨウ素を多く含む食品は、昆布(だし汁も含む)・ワカメ・イワシ・サバ・海苔・かつを・ぶり・寒天などです。
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