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栄養成分

〔カルシウム〕


 体内のカルシウムの量は、他のどのミネラルよりも多く、その大部分はリン酸カルシウムや炭酸カルシウムの形で骨や歯の成分として体内にあり、成人では1kgくらいの量があります。

 また、血液中にも微量ながら存在し、心臓や脳の働き、筋肉の収縮、血液凝固などの機能として、生命維持にかかせない働きをしています。

 カルシウムは、食品から摂取するのも大切ですが、腎臓で作られる活性型ビタミンDで吸収が促進されので紫外線に当たることも大切です。


 また、適度な運動などで骨に加重をかけるとカルシウムの吸収が促進されます。

 血液中のカルシウムが減少すると、それを補うために骨から溶け出します。骨は体を支えるためだけでなく、カルシウム補給のための補給基地となっているのです。

 カルシウムは、生命維持の機能を果たしながら消費されます。また、閉経後の女性においては、ホルモンの関係で骨からの流出が進みますので、日常の十分な摂取が必要です。

 カルシウムが不足すると、骨粗鬆症や歯がもろくなったり、成長障害、神経過敏などが起こり精神的にイライラするようになります。更に、血管を老化させて動脈硬化や心臓病、脳卒中なども誘引します。逆に過剰すぎると、高カルシウム血症になることもあります。

 カルシウムを多く含む食品は、牛乳・乳製品・小魚・干しエビ・海藻類・ゴマ・切り干し大根などです。


栄養成分の体内存在場所 ◆〔カルシウム〕は体内ではどこに、どのような形で存在するかご説明します。
カルシウムの体内での存在場所


主な機能・効能・効用 ◆〔カルシウム〕の主な機能・効用・効能についてご説明します。
カルシウムの主な効用・効能

 カルシウムの主な効用・効能には次のようなものがあります。

・精神を安定化させる。
・歯を丈夫にする。
・骨粗しょう症を予防する。
・高血圧や動脈硬化を予防する。
・筋肉の働きをよくする。


栄養所要量 ◆〔カルシウム〕の栄養所要量についてご説明します。
カルシウムの栄養所要量

 厚生労働省発表の2010年版〔日本人の食事摂取基準〕で、多量ミネラルのひとつであるカルシウムについての摂取基準は次のように規定されています。

・妊婦、授乳婦の付加量はありませんが、通常時の推奨量をめざして十分に摂取することが大切です。
・18歳未満、妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが耐容上限量がないということではありません。該当年齢の推奨量を参考に適度な摂取が大切です。

カルシウムの食事摂取基準〔mg/日〕
年齢(歳) 男性 女性
推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量
0~5月 - - 200 - - - 200 -
6~11月 - - 250 - - - 250 -
1~2 350 400 - - 350 400 - -
3~5 500 600 - - 450 550 - -
6~7 500 600 - - 450 550 - -
8~9 550 650 - - 600 750 - -
10~11 600 700 - - 600 700 - -
12~14 800 1000 - - 650 800 - -
15~17 650 800 - - 550 650 - -
18~29 650 800 - 2300 550 650 - 2300
30~49 550 650 - 2300 550 650 - 2300
50~69 600 700 - 2300 550 650 - 2300
70以上 600 700 - 2300 500 600 - 2300
妊婦 付加量 +0 +0 - -
授乳婦 付加量 +0 +0 - -


欠乏症 ◆〔カルシウム〕の欠乏症についてご説明します。
カルシウムの欠乏症・過剰症


過剰症 ◆〔カルシウム〕の過剰症についてご説明します。
カルシウムの過剰症


食品・食材・サプリ ◆〔カルシウム〕を多く含む食品や食材、サプリメントについてご説明します。
カルシウムを含む食品・食材・サプリメント

 カルシウムを多く含む食品、食材には次のようなものがあります。

・魚介類:干しエビ、ワカサギ、いわし丸干し、煮干、サクラエビ、シシャモ
・海藻類:ひじき、利尻昆布、わかめ
・野菜類:モロヘイヤ、大根葉、京菜、菜の花、つるむらさき
・乳・乳製品:牛乳、ヨーグルト、エメンタルチーズ、プロセスチーズ
・豆製品:がんもどき、木綿豆腐、高野豆腐