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〔亜鉛〕

 亜鉛は、細胞全体に広く分布して存在し、DNAや蛋白質の合成、コラーゲンンの形成を促進します。

 体内には約2g含まれています。血漿中の亜鉛は、ほとんどアルブミンなどの蛋白質と結合していて免疫機能に関係するほか、糖代謝に必須のミネラルとなっています。

 亜鉛の必要量は鉄と同程度ですが、尿や汗で排出される量が鉄の10倍も多いので、不足しないような摂取が必要です。

 亜鉛は植物性蛋白質と同時に摂ると吸収が促進されます。


 亜鉛が欠乏すると、子供の成長障害や鉄欠乏性貧血が、大人では皮膚炎や脱毛症、味覚障害などが起こります。通常の食事では過剰摂取は起こりません。

 亜鉛を多く含む食品は、カキ・レバー・ウナギ・カシューナッツ・たらこ・ホタテ・アーモンド・高野豆腐・さんま・ささみ肉などです。


栄養成分の体内存在場所 ◆〔亜鉛〕は体内ではどこに、どのような形で存在するかご説明します。
亜鉛の体内での存在場所

 亜鉛は、体内に存在するミネラルとしては、鉄に次いで2番目に多い金属元素で、全身に分布しています。体内における亜鉛の量は、成人でおよそ2gほどで、わずかな量のように見えますが、ミネラルとしては多い量となっています。

 体内での亜鉛の大部分は、多くの酵素の構成成分となっていて、体内でエネルギーを発生させたり、食物を消化する際の化学反応を円滑にする働きをしています。

 体内には3000種以上もの酵素が存在し、消化酵素をはじめ神経伝達や細胞分裂、免疫機能など生命活動のあらゆる機能と関連しています。これらの酵素の内、約10%に当たる300種類ほどの酵素は亜鉛がないとその機能を果たすことができません。


主な機能・効能・効用 ◆〔亜鉛〕の主な機能・効用・効能についてご説明します。
亜鉛の主な機能・効用・効能

 亜鉛には、細胞活性化機能、免疫機能、生殖機能、味覚機能など多くの効用・効能があります。

亜鉛の機能
細胞活性化機能  亜鉛は、細胞の産生を活性化させ、骨や皮膚の発育を促がします。

免疫機能  血漿中にある亜鉛は ほとんどアルブミンなどの蛋白質と結合していて 免疫機能を高める作用をしています。亜鉛は DNAや蛋白質合成に関与する細胞分裂に必須なミネラルであるため、不足すると免疫機能を低下させます。

 亜鉛は、免疫システムの働きを促進して、外部から侵入してくる病原菌を破壊する手伝いをします。風邪などの原因菌、ウイルスが増殖する能力を抑制します。

生殖機能  亜鉛は、男性ホルモンであるテストステロンの代謝に不可欠の栄養素で、海外では〔セックスミネラル〕と呼ばれるほどです。亜鉛は、前立腺と精液に高濃度に存在しています。

 脳下垂体にある性腺刺激ホルモンや成長ホルモンの働きにも関係し、不足すれば生殖機能の発達を遅延、男性の前立腺肥大、性的不能(インポテンツ)、精液量と精子数の減退を引き起こします。

 女性の場合、月経不順や不妊、流産、奇形児出産のリスクを増大させます。亜鉛の不足により、卵子の着床が困難になったり、着床しても細胞分裂が順調に行かなくなるからです。

 また、子供の成長不良の原因ともなります。

味覚機能  亜鉛には、細胞分裂を促がし新陳代謝を促進する作用があり、体の中では新陳代謝の激しいところに多く含まれています。舌には味蕾と呼ばれる小さな器官が無数にあって味を感知しますが、この味蕾も頻繁につくり変えられているのです。

 亜鉛が不足すると、味覚細胞が減少して味を感じ難くなる〔味覚異常〕が起こります。このため、亜鉛は〔味覚ミネラル〕と呼ばれることもあります。



栄養所要量 ◆〔亜鉛〕の栄養所要量についてご説明します。
亜鉛の栄養所要量

 厚生労働省発表の2010年版〔日本人の食事摂取基準〕で、微量ミネラルのひとつである亜鉛についての摂取基準は次のように規定されています。

・18歳未満では耐容上限量の掲載がありませんが、耐容上限量がないということではありません。 該当年齢の推奨量を参考に適度な摂取が大切です。
・妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが 耐容上限量がないということではありません。通常時の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。

亜鉛の食事摂取基準〔mg/日〕
年齢(歳) 男性 女性
推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量
0~5月 - - 2 - - - 2 -
6~11月 - - 3 - - - 3 -
1~2 4 5 - - 4 5 - -
3~5 5 6 - - 5 6 - -
6~7 6 7 - - 6 7 - -
8~9 7 8 - - 7 8 - -
10~11 8 10 - - 8 10 - -
12~14 9 11 - - 8 9 - -
15~17 11 13 - - 7 9 - -
18~29 10 12 - 40 7 8 - 35
30~49 10 12 - 45 8 9 - 35
50~69 10 12 - 45 8 9 - 35
70以上 9 11 - 40 7 9 - 30
妊婦 付加量 +1 +2 - -
授乳婦 付加量 +3 +3 - -


欠乏症 ◆〔亜鉛〕の欠乏症についてご説明します。
亜鉛の欠乏症

 血漿中にある亜鉛は ほとんどアルブミンなどの蛋白質と結合していて 免疫機能を高める作用をしています。亜鉛は DNAや蛋白質合成に関与する細胞分裂に必須なミネラルであるため、不足すると免疫機能を低下させます。

 現在の日本人の通常の食生活で亜鉛の摂取が極端に不足することはありません。しかし、穀物や豆類に多いフィチン酸を過剰に摂取すると亜鉛の吸収が妨げられ、亜鉛欠乏症になる可能性があります。

 また、偏食の激しい人や加工品を好んで摂取する人、病中病後の人、アルコール愛好者、強いストレスに晒されている人、激しいスポーツをする人などにおいては、標準以上の亜鉛の摂取が必要となることもあります。一般に亜鉛欠乏症の症状は細胞分裂の頻繁な箇所に出現します。

亜鉛欠乏症の発症
免疫力低下  亜鉛には、細胞の新生を活発化する作用があるため、不足すると免疫機能が弱くなり、皮膚炎を起こしたり、創傷治癒を遅らせます。新陳代謝が悪くなります。脱毛が激しくなることがあります。

味覚障害  舌には食物の味を感じる味蕾がありますが、亜鉛が欠乏するとこのみらい味蕾細胞が減少して味覚障害を起こします。

生殖機能低下  亜鉛は男性ホルモン、テストステロンの代謝に不可欠の栄養素で、不足すると精子数の減少により、性欲低下などの性機能低下、前立腺肥大などの引き起こすことがあります。いわゆるインポテンツの症状が現れます。

 女性の場合には、無月経や不妊、流産などの危険性が増大したり、肌や髪のつやが失われたりします。また、ピル使用時には、血液中の銅濃度が高く、亜鉛量が減少するため、イライラや鬱状態を招くこともあります。

 男女共に、思春期には性の発達が遅れたりします。

成長不良  乳幼児期、成長期の子供では、食欲不振・発育不良を招きやすく、成長不良を起こします。



過剰症 ◆〔亜鉛〕の過剰症についてご説明します。
亜鉛の過剰症

 日本人の通常の食生活では亜鉛が過剰に摂取される心配はありません。もしも、過剰に摂取したとしても、極端に多量でなければ膵液を通して過剰分が速やかに排泄されてしまうので、特に問題は起こしません。

 一度に2g以上もの大量摂取をした場合には、急性亜鉛中毒を起こし、胃障害やめまい、吐き気などの症状が起こります。

 また、過剰摂取が継続的に続くと鉄や銅の吸収を阻害し、鉄欠乏や銅欠乏の状態を招き、それによる貧血や免疫障害、神経症状、下痢、善玉であるHDLコレステロールの低下などを招く恐れがでてきます。


食品・食材・サプリ ◆〔亜鉛〕を多く含む食品や食材、サプリメントについてご説明します。
亜鉛を含む食品・食材

 亜鉛を多く含む食品として有名なのは「牡蠣」をはじめとする貝類や魚類、肉類です。また豆類も多くの亜鉛を含みますが、植物に含まれる亜鉛よりも動物に含まれる亜鉛の方が体内への吸収率は高いとされます。

 日本人の食事摂取基準により推奨される1日当たりの亜鉛の摂取量は、成人男性で12mg、成人女性では9mg程度となっています。亜鉛を多く含む食品、食材には次のようなものがありますが、食事摂取基準での推奨量を参考に食物を摂取するとよいでしょう。

 亜鉛は、日本人の主食であるご飯やうどん、パンなどにも若干ながら含まれています。白米ご飯1杯で0.8mg、うどん一玉(250g)に0.1mg、四つ切食パン1枚0.4mgなどです。

 下記の表では、食品の可食部100g中に含まれる亜鉛の量(mg)を掲載しています。

亜鉛を多く含む食品(可食部100g当たり)
魚介類・海産物 生牡蠣 13.2mg
エビ 2mg
するめ 5.4mg
焼きたらこ 3.8mg
干し海苔 3.7mg
ごまめ 7.9mg
肉・乳・乳製品・卵 牛肉 4mg
生レバー 6.9mg 豚、牛
チーズ 3~5mg
牛乳 0.4mg
ビーフジャーキー 8.8mg
1.0mg
穀類・豆類・野菜 小麦胚芽 15.9mg
小麦 4.0mg
ごま 5.5mg
カシューナッツ 5.4mg
アーモンド 4.0mg
干し湯葉 5.0mg
納豆 3.0mg
かぼちゃの種 7.7mg
抹茶 6.3mg

サプリメント

 通常の食生活をしている日本人では、亜鉛の不足する場合は少ないと考えられます。

 しかし、男性で性的不能(インポテンツ)の症状があったり、精液量と精子数の減退が激しい場合などにはサプリメントが必要かも知れません。

 また、女性で月経不順や不妊、流産などがある場合も同様です。

 亜鉛を過剰摂取することも好ましくありませんので、サプリメントを利用する場合には、掛かりつけの医師と相談されることをお勧めします。