血漿中にある亜鉛は ほとんどアルブミンなどの蛋白質と結合していて 免疫機能を高める作用をしています。亜鉛は DNAや蛋白質合成に関与する細胞分裂に必須なミネラルであるため、不足すると免疫機能を低下させます。
現在の日本人の通常の食生活で亜鉛の摂取が極端に不足することはありません。しかし、穀物や豆類に多いフィチン酸を過剰に摂取すると亜鉛の吸収が妨げられ、亜鉛欠乏症になる可能性があります。
また、偏食の激しい人や加工品を好んで摂取する人、病中病後の人、アルコール愛好者、強いストレスに晒されている人、激しいスポーツをする人などにおいては、標準以上の亜鉛の摂取が必要となることもあります。一般に亜鉛欠乏症の症状は細胞分裂の頻繁な箇所に出現します。
免疫力低下
|
亜鉛には、細胞の新生を活発化する作用があるため、不足すると免疫機能が弱くなり、皮膚炎を起こしたり、創傷治癒を遅らせます。新陳代謝が悪くなります。脱毛が激しくなることがあります。
|
味覚障害
|
舌には食物の味を感じる味蕾がありますが、亜鉛が欠乏するとこのみらい味蕾細胞が減少して味覚障害を起こします。
|
生殖機能低下
|
亜鉛は男性ホルモン、テストステロンの代謝に不可欠の栄養素で、不足すると精子数の減少により、性欲低下などの性機能低下、前立腺肥大などの引き起こすことがあります。いわゆるインポテンツの症状が現れます。
女性の場合には、無月経や不妊、流産などの危険性が増大したり、肌や髪のつやが失われたりします。また、ピル使用時には、血液中の銅濃度が高く、亜鉛量が減少するため、イライラや鬱状態を招くこともあります。
男女共に、思春期には性の発達が遅れたりします。
|
成長不良
|
乳幼児期、成長期の子供では、食欲不振・発育不良を招きやすく、成長不良を起こします。
|
|